その声は、嘲笑うかのような高い声だった。
その声聞いたウルズは思わず、叫んだ。
「ライクレットッッ!!!」
『おや?異質物かい?君は、何をそんなに怖い顔をしているんだい?』
「君は…、君はレイティスの事を何とも思わないのかい!?」
『レイティス? …ああ、この光のことかい?』
「!!」
『彼女には感謝してるよ?こうして、最期まで僕の為に尽し、死して尚僕に尽してくれるんだからさっ!!』
「…!ラ、ライクレット…!!」
ウルズは、怒りを露にした。
『ハハハ!そんな怖い顔しないでよ?これは世界の為、世界には必要なことなんだからさ』
「お前は、絶対に許さないッ!!」
ウルズは、そう言うと白き女神に突っ込んでいく。
すると、白き女神は、光でガードする。
『ははは、これはいい!シャイル、少し遊んであげるといいよ?シュヴァルツが来るまで、ね?』
その言葉に、リズナが反応した。
「シュヴァルツですって!?あの子が此処にくるの?!」
『おや、戦乙女か。君は気付かなかったのかい?この遥か上空…』
ライクレットはそう言うと少し間を置く。
『堕天使は、世界の行く末をずっと見つめていたよ。
そして、諦めと絶望に終止符を打つためここへ今舞い降りる…』
ライクレットのその言葉と共に、遥か上空から黒き稲妻が降り注いだ。
「3人とも、避けて!!」
ベルゲルミルが間一髪それを避けると、その様子を見てライクレットは高々に笑った。
『くく、あははっ!!そうさ、シュヴァルツも、イレギュラーも、異質物も!
お互い潰しあうといいよ!僕が手を下す手間が省ける!』
そう言うと、ライクレットの声は消え、シャイルも異空間に消え去った。
それをウルズが追う。
「まて!!ライクレットッ!!!」
しかし、追いつけず異空間の穴は閉まってしまうのだった。
「…戦乙女、そして人形」
黒き稲妻の上から響く、低く重たい少女の声。
「ここで終わりにしましょう」
そう告げると、堕天使は、黒い球体を召喚し黒い翼を広げた。
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