「ライクレット様は、この世界の事をちゃんと見てる!私たちのこともちゃんと!!」

「!?」

レイティスが突如発した言葉にウルズは一瞬動きを止めるが、直ぐに防御体制を取りレイティスの攻撃を受け止めた。
彼女の攻撃は、何かに必死に抗うかのようだった。

「分かってる、分かってる・・・!ライクレット様のやり方は、今この時代を一生懸命生きている人達には良くなくて、その人達を犠牲にしないといけないなんてことも!!」

「レイティス!!」

必死に訴えるレイティスの名を呼ぶウルズ。
ウルズとレイティスの武器がぶつかり合った。

「あんたが、アイリスの愛する人だってことも分かってる…!!!
でも…!でもね…!私はライクレット様の為に何かしたいの!!」


レイティスの本音。
本当の気持ち。

愛する人に何かしたい気持ち。
愛する人を守りたい気持ち。
愛する人に笑っていて欲しい気持ち。


そんな気持ちをウルズは知っていた。
彼も今同じ想いで此処にいる。

アイリスを救いたいし、この世界も救いたい。
今を一生懸命生きる人々の未来を守りたい。

昔なら、こんなこと微塵も思わなかっただろう。
きっと、ライクレットに賛同していたのは間違いない。
もしかしたら、協力して助力していたかもしれない。

でも、今の僕は違う。
人間の優しさ。
素晴らしさ。
儚さ。

それを彼は知った。
だから、ライクレットとも自ら戦う事を選んだ。

何かを貫くのに、何かを犠牲にしなければいけないなら



僕は―――


[ 163/240 ]

 

INDEX

[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -