君の面影、私の想い 
レイティスは、2人に押され、もうあとに引けない状態になっていった。

このままじゃ、ライクレット様に顔向けできない…!!

ライクレット様…!!


それは、レイティスがまだ命を授かって間もない頃。

『レイティス?』

『なんですか?』

ライクレットは、レイティスに微笑んだ。
そして

『やっぱり、人間って悲しい生き物なのかな?』

時より見せるとても悲しそうな少年の顔。
レイティスはそんな彼をいつか本当の笑顔にしてあげたかった。

『そんなこと、ないと思います…』

『そうかな?でも、世界をこうやってずっと壊してるんだよ。世界はとても美しいのに…。
世界がなければ、人間は生まれて来れなかったのに、それなのに人間は世界のことを考えず…』

『ごもっともです』

『親に歯向かう子供と一緒だよね、これじゃ』

そして、ライクレットは夜空を見上げた。

『けれどね。僕は本当は人間が大好きなんだ、だって素晴らしいじゃないか?』

『え?』

『きっと、人には色んな可能性がある。それは誰しも分かってることなんだ
けれど、人間は愚かで儚いからね。自分じゃ気付けないんだよ』

『なら、どうして再生を…?』

レイティスは、尋ねた。
すると、少年は少し間を空けた。

『人は、沢山居る。それはもう数え切れないくらいにね。
時間さえあれば、その全てがいつしか気付けるのかもしれない。
…けど、そんな時間はなかった。この世界が耐えれなかったんだ。その大勢の生き物達に…』

『…』

『時間さえ、あればきっとどうにかなったのかもしれない。
でもね、絶えることなく生まれる生き物はいつしか世界の猶予を超えてしまったんだ。
だから、もう僕らはこうするしかないんだ…。世界を守るためには…』


             世界を破壊する命達全てを、壊すしか…


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