「レイティス、やめるんだ・・・!!」
ウルズは、レイティスの猛攻に耐え必死に彼女を説得する。
「うるさい、黙って・・・!!!」
レイティスの攻撃は益々酷くなり、ウルズの口数が少なくなっていく。
その様子に、スリサズが加勢する。
「見てられないよ!!」
「スリサズ・・・・!」
「分かってる、殺さないよ!」
スリサズが、格闘を仕掛けると、レイティスは剣を取り出し応戦する。
「さすが、兄妹だな!」
「一緒にするな!!」
リズナはその様子を見ていた。
アンサズも加勢はせずに、見守っている。
「加勢しないの?」
「レイティス一人、ウルズだけで十分だろ?
それに、倒す為の戦いじゃないんだ。加勢する必要はないさ」
「そうね、けれどあの子…」
「僕には、分からないよ。
どうしてあんなにライクレットを慕うんだい?…僕らにとっては彼は害しかないのに」
「…愛情は、とても複雑って所かしら」
「どういう事、だい?」
アンサズが不思議そうに尋ねる。
「女ってのは、一度好きになるととことん落ちちゃうものらしいしね
どんなに虐げられても、どんなに辛い思いをしようとも、
好きになってしまったら自分じゃどうにもならないって事ね。」
リズナがそう言うと、アンサズは納得をしてこう言った
「・・・不思議な物だね。いや・・・悲しい物、なのかな」
「いえ、素敵な物だと思う。けれど、時に酷く悲しいものであるのも確かね」
リズナは、レイティスを見た。
彼女の愛の結末はきっと、悲しい物かもしれない。
本当は彼ら、彼女らには一番に幸せになって欲しいのに。
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