これは?
胸の奥で痛むのは
身体能力の低下や
前に経験した痛みではない

口では説明できないような
奥底から来る痛みだ

少女はアースクレイドルを見て

「思ってた以上の壊れ具合ね。
ま、これくらいでも何か
残ってればればいいんだけど」

少女は起動兵器から降りて
何かを探し始めた

ウルズはその様子をただ見ていた。

少女が壁に手を当て始めた

「?」

押しているのか?
押しているほど
力は入っている様には
見えないが…

でも、
もしここで2人が生きていたら

僕はなんて言えばいいのだろう

もしどちらか1人でも
生き残っていたら
消えてしまった
1人には何て言えばいいのだろう


兄弟


何気なくメイガスの前で
使っていたこの言葉
今では凄く重く感じるのは
何故だろう
自分が死の瀬戸際に出会って
始めて覚えたこの感情
これは一体?

本当は…
  ずっといつでも
     3人だと思っていた…

なのに今はたった一人
例えば旧人類に勝利したとして。
戦いの結果
誰か一人欠けて居たとしたら

僕は消えた方に
何か思っただろうか?

あの時、勝利してしまっていたら
僕はこんな事思う事もなく
消えた方に対して
何も感じなかったのかもしれない

「イーグレット?
ちょっと、イーグレット?
大丈夫?
さっきからぼんやりしてるけど」

「え・・・、ああ。
何か解ったのか?」

「喜びなさい。2人生きてるわ」

「!? 本当、なのか?」

「ええ。
でもちょっと様子が変だったけど
北の方に行ったみたいね」


2人が生きていると聞いた途端。
胸の奥の痛みが消えた
それどころか
今度はとても温かい感じがする
この感情は一体?

2人とも良かった・・・・


「・・・・どうする?
生きてるって解ったなら…
会いにいくしかないわよね?」

「ああ、頼む」

様子が可笑しいというのが
少し気がかりだけど、
2人は生きている。

良かった
なんて僕が思ったと思うと
本当に壊れてるそう実感する。

北か

そこに2人がいる。
無事でいるのだろうか

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