This is...
レイティスは、チャーム・スレイヴを操り4人に攻撃を仕掛けた。
「さあ、死んで・・・!」
レイティスは声を張り上げた。
その声は何処か震えており、胸の奥そこから振り絞っているような、そんな声だ。
―本当は、気付いている。
ライクレット様のやり方は、この世界で生きている人達には良くないなんてこと。
…だけど私は!!
「レイティス!!」
ウルズが叫んだ。
その声は、レイティスにも届いており一瞬、彼女の動きを鈍らせた。
『―レイティス』
「!!」
レイティスが、更に猛攻撃を仕掛けようとした瞬間だった。
頭に過ぎるあの子の顔。
「アイリス・・・!」
『レイティスは、ウルズさんの事好き?』
大好きな姉があの時言った言葉だ。
今自分が殺そうとしている相手は、大好きな姉の想い人・・・
「黙って。姉さん…ッ!」
レイティスがそう呟くと、彼女は一時攻撃を中止した。
そんな挙動不審なレイティスの行動に、ウルズ達も攻撃を一時中止した。
レイティスの頭には、大好きな姉の声が絶え間なく響いていた。
『私は、ウルズさんの事大好きだよ!凄く!』
「分かってる・・・、姉さんがこの人を愛してるなんてこと分かってる・・・!」
でも、私も・・・・!
私も・・・・!
「ライクレット様が好きなの・・・・!!」
レイティスの瞳から、一粒の涙が零れ落ちた。
姉も好き。けど、自分を助けてくれた彼も好き。
自分の想いを通すには、姉の愛する人を殺さなければならない。
自分の想いを守るには、何かを犠牲にしなければならないのか?
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