そんなこと、考えたくもない・・・・!
ウルズは、レイティスの攻撃を避けながら懐に飛び込んだ。
「レイティス、聞いてくれ・・・!」
「うるさい、黙れっ!!」
「僕たちは君と戦いたくはない!!」
「うるさいっ、うるさいっ、私は・・・、ライクレット様のために・・・・!!」
「レイティス!!」
レイティスは聞く耳を持たず、何の躊躇いもない
「兄妹だとか、一緒に作られた物とか、さっきまで仲間だったとかもう関係ないの・・・!!」
「なっ・・・!?」
ウルズはその言葉に口を閉じた。
「私は、命を・・・!命を救ってくれた、あの人のために・・・・!!」
命を救ってくれた・・・・?
「この命を使いたいの!!!」
レイティスの言葉。
その言葉にウルズは、何も言い返せなかった。
―レイティスは、廃棄処分されたマシンナリー・チルドレン
廃棄処分されたと言う事は、一度は死の直前まで行ったと言う事になる。
いや・・・・
既に死んでしまっていたのかもしれない。
そんな彼女達を、神は救い出したというのか?
だから、彼女は自分を助けてくれた人に尽したいと叫んでいるように聞こえた。
・・・・・そんな事を訴えられたら。
レイティスを彼から取り返すのは・・・・・
ウルズは戸惑った。
神のやっている事は許せない。
許せるわけがない。
罪のない人々まで、世界の再生と偽り皆殺しにしているのだ。
そんなこと、絶対に認められるわけがない。
かつて自分も同じ事をやろうとしていた、だからこそ今なら分かる。
だが・・・・
レイティスはそんな彼を、慕っている。
この叫びを聞いたウルズには、操られている訳ではないということが手に取るように分かってしまったのだ。
レイティスは大事な仲間だ。
けれど、僕たちはそんなレイティスが慕う神を倒さなければならない。
どうすればいい?
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