リズナはウルズと話していた。
「ウルズ、気分は落ち着いた?」
「ああ。心配かけてすまない。」
「良いのよ、それより、あなたがアイリスをあんなに大事に思ってたなんて知らなかった」
リズナそう言うと、ウルズは、荒廃した窓の外から見える少しの緑を見ながら話しだした。
「約束をしたんだ・・・」
「約束?」
「・・・・この戦いが終わったら、一緒に花畑を見に行こうって。約束したんだ」
「花畑?・・・そっか、月には自然に咲いた花がないから・・・・」
リズナはそう言って、彼女も荒廃した中にある少しの緑を見つめた。
そこへ、アンサズとスリサズが入室してくる。
2人に気付いたリズナは彼らに声をかける。
「アンサズ?スリサズ?どうしたの?」
「ウルズ。話があるんだ」
「?」
アイリスは、レイティスの真剣な表情に戸惑いを隠せなかった。
自分の正体。・・・・知りたい。でも知るのは怖い・・・
「アイリス、私達はね。とある人に作られた試作型だったの」
「試作?・・・一体なんの・・・・」
「でも、失敗だった。私達は失敗作だった」
「・・・・」
「感情回路、神経の異常で失敗した私達は、「要らない物」として、処分された。」
「・・・・・」
アンサズが彼女達を調べた結果をウルズとリズナに素直に話した。
その証拠に、アンサズはウルズに調べる為に使った資料を差し出した。
それを見てウルズは、沈黙し、リズナは言葉を漏らした。
「なんですって・・・?」
そして、少しの沈黙の後ウルズは、小さく呟いた。
「そうか・・・・、そうだったんだ」
「え?ウルズ?」
「あの時感じた「何か」はそれだったんだ・・・・」
彼女達に出会った時に感じた不思議な感覚。
今、それの正体が明らかとなった。
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