「探してみる?」
女の言葉に耳を疑った。
「探す?何をだ?」
「兄弟さんよ」
探す?
生きているかも解らないのに?
馬鹿げている
「馬鹿らしいとか
思ってるでしょ?」
「何故そう思う?」
「生きてるかも解らないのに
探すなんて
愚かとか思ってるでしょ?」
女の言葉は当たっていた。
まさにその通りだ
「でも、探さなきゃ
一生解らないかもしれないし
後悔するかもしれないわよ?」
僕の機能停止寸前の体を
見れば嫌でも考えてしまう
僕の予想が当っていれば
2人はもう
けど、もし生きていたら?
生きていたら…
そんな風に考えるうちに
無意識に言葉を発していた
「探して…みたい」
「オーケー、決まりね!
じゃあヨシマさんに一言かけてこないと
貴方をお借りする、てね」
少女は部屋を後にヨシマの所へ向かった。
その後姿を見送り彼は
空を見上げる
「お前達は…生きているのか…?」
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