そんなアイリスにウルズは

「…花が好きなんだったね」

「え、はい」

唐突なウルズの言葉に、少し驚く。
そしてウルズは言葉を続ける。

「なら…、この戦いが一段楽したら花畑を見に行こうか?」

「え?」

「勿論君が良ければ、ね」

ウルズの言葉、アイリスの答えは決まっていた。
迷うはずもない。

「は、はいっっ!あ、ありがとうございますっ!」

とても嬉しそうに言う、アイリス。
そんなすごく嬉しそうに笑う彼女に、彼は星空を見上げながら言う。

「…綺麗な星だね。」

「はい、とても綺麗です…」

ウルズは、そんな星達が絶え間なく煌く夜空を見上げながら静かに言った。

「…すべてが終わった後も、君と一緒にこうして星を見たいな」

「えっ…」

思いがけない言葉だった。
一瞬、言っている意味がよくわからなかった。
彼女には、これ以上にない幸せな言葉だったから、思考がついていかなかった

「…君にずっと、いつまでも傍に居てほしい。
スリサズと、アンサズ、それからヨシマもいるけれど…
君が良ければ、これからもずっと僕のそばに居てくれないか?」

アイリスは、嬉しくて嬉しくて何を言っていいのかわからなかった。
だから今おもったことを素直に伝えた。

「…喜んでっ!
皆さんと一緒だって、ぜんぜんいいですよ!私もレイティスと一緒が良いって言おうと思ってましたし!」

その答えにウルズは微笑んだ。
それはとても優しく温かいものだった。

「ありがとう…」

「そんなお礼なんて…!
わ、私も、ウルズさんとずっと一緒にいたいっと…」

「じゃあ、約束だね。これからもずっと、一緒にいよう」

そう言うとウルズは、小さな指を差し出した。
その差し出された小さな指を、アイリスはそっと自分の小さな指で包み込む。

「はいっ。約束ですっ!」

アイリスは、とびきりの笑顔でそう言った。
そして2人は、同じ星空を見上げたのだった。

これからも2人で同じ星空を見ることを誓って−…


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