アンサズはリズナの言葉を聞いてこう返した。

「要は、使いこなせれば、神の出現時間や場所を割り出せるかもしれないけど
使えるか分からないって事かい?…ていうか、魔力ってねぇ…?」

「魔力なんて私達の世界じゃそんなの存在しないし、どうやればいいのかも分からないけど
一つだけ、可能性があるわ。」

リズナの言葉にウルズは訪ねる

「何か策があるのか?」

「ええ…。魔動機にはミスティックと呼ばれる能力がある」

「ミスティック?
…直訳すると『魔法』か」

「ええ、そうよ。
この意味どういうことか分かる?」

すると、ウルズが少し悩み

「魔法・・・即ち魔力か?」

「ご名答。
魔動機っていうのは、地底世界の技術と、地上世界の魔術的な要素を取り入れていてね。
そのために精霊と契約っていうミラクルに成功してるのよ」

「ヴァルキュリアの使用している武装が解析不可能なものが多いのはそのためか」

「でしょうね。
魔動機って、操縦者にも詳しい事を教えてくれないのよ、開発者が秘密主義でね。
けれど、精霊ってんだから魔法的なものが絡んでると思わない?」

「なるほど…。しかし、詳しいことは分からないのだろう?使いこなせるのか?」

すると、アイリスが満面の笑みでリズナに言う。

「そこは、我らのリズナさんの出番ですよ♪」

その笑顔にリズナが苦笑いする。

「そんな期待はしないほうが良いわ…。
やるだけ、やってみるけど信頼度はかなり薄いわよ?」

すると、スリサズが

「はぁ?一体何する気なんだ?」

「リズナさんは念動力を自由に使いこなせるのは知ってますよね?」

アンサズがその言葉に、

「確かサイコキネシスはよく使ってるのを見るけどねぇ…?他のはあんまり見たことがないよ」

「サイコキネシスは便利だからね。
高いところのものとか自分では動かせない物も動かせるから」

「で、何するんだよ?自由に扱えるから何ができるんだ?」

スリサズが言う。
すると、アイリスが、またもや満面の笑みで

「じ、つ、は、ですね!リズナさん、ほんの少しだけ予知能力があるらしいんですよ!」

その言葉にウルズが、感心したように

「そんな話今まで聞いた事がなかったが・・・本当なのか?」

「…あまり他人に言うようなことでもなかったからね
でも、私の予知は本場の予知能力者と比べたらあまり精度がよくないの。」
けれど、Tーlinkシステムを使えば能力を補強できる。」

すると、スリサズも感心したように言う

「…お前…結構凄い人間だったんだな…」

しかし、リズナはそんなスリサズの言葉を聞いて、少し儚げな顔をし小さくこうつぶやいた

「…そうね。凄いのかもしれないけど…、良いものではないわ…」

リズナの思いがけない言葉と表情に、ウルズは胸を痛める
しかしリズナはすぐに表情を取り戻して言うのだった。

「じゃあ、荷物が届き次第作業に取り掛かるわ。」

「はい、お願いしますっ」


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