ウルズはその質問に少し困惑したような顔になる。

(ああ・・困ってる。どうしよう・・・っ!)

ウルズは少し悩んでから、アイリスに答えた。

「その質問の答えになるかはわからないのだが・・・」



物陰の野次馬トリオもその答えにドキドキを隠せない!
しかし・・・

「あれ、3人とも何してるの?」

空気を読めなかったライトが登場する。

「あ、しーーーっ!!」

リズナがライトの口を押さえて、またもや2人を観察する。



「僕は」

「はい」

「皆の事が好きだよ」

「え?」

「世界も、人も、仲間も。
僕は、全て好きだ。だから、守りたいと思う」


その答えに。野次馬トリオは

「・・・・」

「みんなが好き・・・か、なかなか良い答えじゃないか。」

スリサズが、一番最初に声を発した
その後にアンサズが、

「そうだねぇ?期待してたのと違ったけど、こういうのも悪くないかな」

「私は素敵な答えだと思うわ
かつて人間を憎み、憎悪し、抹殺まで目論んでいたあの子が
人間を含めてみんなが好きなんて、凄いことよ。」





ウルズは、目を閉じる。

「昔はね。争いばかり繰り返し、地球を汚染する人間が憎かった。全て殺したいと思っていた。
けれど、イレギュラーや、君達に出会って知ったんだ。全ての人間が悪いわけではない・・・と。」

「はい。そうです・・」

「不思議だね。それを知ったら、徐々に人が好きになれた。」

「それは、凄い事ですよっ!」

「うん・・・、きっとそうなんだろうね」



その会話を聞いてる4人も。

「僕も・・・。ウルズの言ってる事分かるよ。それに、僕も同じだ」

「うん、スリサズの言う通りだね。僕達は変わったんだ」

「ええ、間違いないわ、私が保証する」

それを聞いていたライトは。

「・・・。凄いね、なんだかよく分からないけど、やっぱり生きてるって素晴らしいんだ
生きていれば、嬉しい事も悲しい事も、全て受け入れて成長できる。」

「うん、そうだね・・・」

「って言う事だ。これ以上2人を観察していても仕方ないね。ベルゲルミルの整備に行こうか」

「そうだな」

「じゃあ、私も行くわ、ライト君はどうする?」

「僕は、部屋に戻るよ」

「そうかい?じゃあ、また」

そういうと3人は格納庫へ向った。
ライトは3人の背中を見送った後、まだ話しているアイリスとウルズを見て

「・・・そうだね。生きていると言う事は素晴らしい・・・。
けれど、生きているからこそ、ダメになっていくモノもあるんだよ・・・」


ライトは、窓の外を見上げて、そう儚げにつぶやいた。


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