ウルズは廊下を歩いていた。
そんな彼の後ろから声が響く。
「ウルズさーんっ!」
「? アイリスどうしたんだい?」
アイリスは後ろからウルズに駆け寄る。
「いえ!あの、お暇なら御一緒にお茶でもどうかなって!」
「構わないが・・・。仕事はいいのか?」
「はいっ!今休憩時間を頂きましたっ」
「そうなのかい?では、大丈夫だね」
「はいっ!」
そう言うと2人は食堂に向う。
それをこっそり見ていたアンサズとスリサズとリズナ。
「へぇ・・・。アイリスってウルズの事好きなのかい」
「アンサズよく知ってるのね。
じゃあアイリスは恋する乙女って事ね。」
「恋する乙女ぇ?なんだそれ?」
「そのままの意味だと思うわよ…?」
「何かおもしろそうだねぇ?
僕、あの2人の観察しよっかな」
「あら、おもしろそうね。私も付き合うわ」
「はあ?!アンサズもリズナも、これのなにが面白いんだよ!」
そして食堂にて。
「あ、あのっ!」
「どうした?」
「えっと・・・。あの・・・っ、私・・・・!」
「?」
「ウルズさんとこうやってお話ができてすっごく嬉しいですっ!」
「? いつも話していると思うが・・・」
「え?あ、その、2人きりで・・・」
「2人きり?それに何か意味があるのかい?」
「え・・・、あ、いえ、それはっ・・!」
と会話している2人の遠くで物影に潜む3人。
「相変わらずアイリスは引っ込み思案だねぇ、可愛いじゃないか?」
「そうか?僕どっちかって言うと、モゾモゾしてて、見てていらつくんだが?」
「スリサズは、まだお子様だねぇ。人間の感情をもう少しおさらいしたほうが良いよ?
それに、ウルズの反応が面白いじゃないか」
「…アンサズ、あなたこういうの好きなのね」
「僕はヒトの恋愛事情には興味ないよ?」
「はあ?じゃあ、なんでこんなことしてるんだよ!」
「面白いじゃないか。人間観察」
どうやらアンサズが一番楽しんでいるらしい。
スリサズが、ややいらいらしながらアイリスとウルズを確認する。
リズナはそんな2人を見ながら、ウルズ達の様子を観察するのだった。
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