ウルズは廊下を歩いていた。
そんな彼の後ろから声が響く。

「ウルズさーんっ!」

「? アイリスどうしたんだい?」

アイリスは後ろからウルズに駆け寄る。

「いえ!あの、お暇なら御一緒にお茶でもどうかなって!」

「構わないが・・・。仕事はいいのか?」

「はいっ!今休憩時間を頂きましたっ」

「そうなのかい?では、大丈夫だね」

「はいっ!」

そう言うと2人は食堂に向う。
それをこっそり見ていたアンサズとスリサズとリズナ。

「へぇ・・・。アイリスってウルズの事好きなのかい」

「アンサズよく知ってるのね。
じゃあアイリスは恋する乙女って事ね。」

「恋する乙女ぇ?なんだそれ?」

「そのままの意味だと思うわよ…?」

「何かおもしろそうだねぇ?
僕、あの2人の観察しよっかな」

「あら、おもしろそうね。私も付き合うわ」

「はあ?!アンサズもリズナも、これのなにが面白いんだよ!」



そして食堂にて。

「あ、あのっ!」

「どうした?」

「えっと・・・。あの・・・っ、私・・・・!」

「?」

「ウルズさんとこうやってお話ができてすっごく嬉しいですっ!」

「? いつも話していると思うが・・・」

「え?あ、その、2人きりで・・・」

「2人きり?それに何か意味があるのかい?」

「え・・・、あ、いえ、それはっ・・!」


と会話している2人の遠くで物影に潜む3人。

「相変わらずアイリスは引っ込み思案だねぇ、可愛いじゃないか?」

「そうか?僕どっちかって言うと、モゾモゾしてて、見てていらつくんだが?」

「スリサズは、まだお子様だねぇ。人間の感情をもう少しおさらいしたほうが良いよ?
それに、ウルズの反応が面白いじゃないか」

「…アンサズ、あなたこういうの好きなのね」

「僕はヒトの恋愛事情には興味ないよ?」

「はあ?じゃあ、なんでこんなことしてるんだよ!」

「面白いじゃないか。人間観察」

どうやらアンサズが一番楽しんでいるらしい。
スリサズが、ややいらいらしながらアイリスとウルズを確認する。
リズナはそんな2人を見ながら、ウルズ達の様子を観察するのだった。



[ 120/240 ]

 

INDEX

[しおりを挟む]



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -