34話 全てを愛する事 
ウィンドとアースラを倒した後、イクズスでは臨戦態勢が解除され
アイリスと、ライトは食堂にいた。

「ライトさん、少しは落ち着きましたか?」

アイリスはずっとライトに着きっきりで彼を落ち着かせており、ライトもようやく泣き止んだ。

「うん・・・、ウルズ達が仇とってくれたから・・・」

「落ち着かれたらならよかったですっ」

泣き止み、ようやく笑顔を見せてくれたライト。
そんなライトにはアイリスも笑顔になる。
そこへレイティスがやってくる。

「ここにいたのね、アイリス。さっきの報告書読んでくれた?」

「あ、レイティス!読んだよっ、それよりレイティスもお茶しようよっ!」

「・・・・」

レイティスはちらりと、ライトを見る。

「・・・お邪魔しちゃ悪いから良いわ。それに仕事がまだあるから」

「え・・・っ?お邪魔??」

レイティスは意地悪そうに、笑う。

「!! ち、違うよっ!私はあくまで本命はウル・・・」

「おや、3人とも何してるんだい?」

そこへ、ウルズ、スリサズ、アンサズの3人が丁度やってきた。

「ああっ・・・!ウルズさんっ!?」

「? どうしたんだい?」

「今の話聞いてましたっ!?」

「話?何も聞こえなかったが・・・・」

そんな話を隣で聞いていたライトが笑い出す。

「ぷ、あはっはっ!
面白い!すごく面白よ!・・・ここは楽しいね!」

「えぇっ!?ライトさんなにがおかしいんですかっ!」

そんな和んだ雰囲気を静かに見ていたレイティスは、アイリスを見て少し微笑んでから

「じゃあ、いくわね。」

「うんっ!またね、レイティス!」

食堂を出ていくと、リズナとすれ違う。

「あら。レイティス?戻るの?」

「ええ。まだ仕事があるの」

「そう、頑張ってね・・・。あ、それと・・・」

「なに?」

「格納庫に、小型の通信機が置いてあったらしいんだけど。あなた何か知らない?」

「・・・知らないわ」

「そっか、ありがとう」

そう言うと、レイティスは格納庫に向って行った。それを静かに見送ったリズナは、食堂に入っていく。


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