33話 憎悪の先にあるもの 
ライトは、少しずつだがイクズスに馴染んできていた。
アイリスは常にそんな彼を気遣っている。

「はい、ライトさん
これ飲んでくださいっ」

「あ、ありがとう…」

アイリスは、暖かいココアを差し出すとライトはそれを笑顔で受け取った。
お礼を言ってココアを口にし、また優しく微笑む。

その様子を、遠くで見ているウルズ達

「すっかり、落ち着いたみたいだねぇ」

アンサズが言う。

「うん、良かった。」

「でもさ、
僕達が人間の心配するなんて
変わったもんだね」

スリサズが2人に言う。
すると、アンサズが

「うん
昔ならそんな事絶対有り得なかったね」

「こういう関係も悪くない。
今ならそう思えるかな」

ウルズがそう言うと3人は、お互い顔を見合わせた。

そこに艦内放送が流れる

「本艦に接近する熱源反応有り!
戦闘員は至急戦闘準備に
取り掛かってください!」

その放送を聞いたライトは顔を歪ませる。
その表情を見たアイリスは

「心配しないでくださいっ、ライトさん!
大丈夫ですから…」

「アイリス。
僕、君達の戦いを見て見たい。
君と一緒に行ってもいいかな…」

そう言うライトの顔は、いつもとは全く違う顔だった。
そんな表情にアイリスはどこか不安を隠せない。

「お願い」

真剣なまなざしで拳をきつく握り締めながらアイリスに頼む。
アイリスはそんなライトを見つめ、決意した。

「わかりました…。
付いてきて下さい」

そう言うと2人は、操縦席へ向うのだった。


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