32話 ひとりぼっち 
そこは、薄暗く地球とは到底思えない空間。
そんな場所で響く女性達の声がする。

赤い髪を一つに束ねた女性がまず口を開いた。

「シャイル
例の計画はどうなっとるんや?」

その言葉に、地面に付きそうなくらい延びた銀色の髪を持つ女性が
冷たく無機質な言葉でそう答える。

「ファイラ。
ライクレット様の計画は順調に事を運んでいます。
後は私達がお役目を果すだけ…」

「おう、そうか。
ウチ達はライクレット様の言い付け通り
再生を繰り返せばいいんやな?」

「そうです。
再生するためにはまず無に戻す。
私達の計画には必要な事…」

ファイラはそう言うと、後ろに控える
癖のある翠色の髪をした女と、薄く茶色の短い髪を持つふくよかな女に言う。

「そうやな。
アースラもウィンドもそれでいいやろ?」

「わかってるわん
だから街1つ無に還してきたんじゃない」

「ウィンド、あんたのやり方は甘いんだよォ。
もっと徹底的に無に還さなきゃネェ!」

「ならば、アースラ。
次はあんたがやってきないさいよぉ」

「フン!
見てなァ、あんたより上手く再生してやるよォ!」

「お待ちなさい、アースラ。
その前に、やはり異質物とイレギュラーが邪魔です」

「アイツらァなんか
私にかかれば瞬殺よォッ!」

「ふふーん
そんな事言って負けた事あるくせにーん」

「黙りなァァ!」

「では、アースラ。ウィンド。
あなた達2人に、異質物とイレギュラーの抹殺を命じます。」

「おまかせ、あれ」

「まかせときなァァ!」


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