31話 焼け野原 
街はところどころから火が昇っていた。
人々は逃げ惑い、混乱しているが
彼女達はそんな事には目もくれず街を焼き払い続けた。

「ふふーん
大きな街、再生しましょー
そうしましょー」

大量の機動兵器を指揮を取っているのは、
緑色の機動兵器。
風の女神、ウィンドだった。

妖精のような翅を生やした
無数の機動兵器は、踊るように
飛び回りながら、街を破壊して行く。


「く…、もっとスピードを出してください!」

「だめです、これが限界です!」

イクズスは全速力で、街に向っていた。

「アイリス
ベルゲルミルのスピードなら、
間にあうかもしれない出撃許可を。」

ウルズが、通信で通信許可を求める。

「そうですね、わかりました。
ベルゲルミル発進してください!」

発進許可が下りると、
ベルゲルミルは次々出撃し、全速力で街へと向った。
しかし、街は遠く、
ベルゲルミルのスピードでも時間が多少の時間を要す。
その時間は短い時間であったが
圧倒的な敵の数と、女神の力により
街が恐ろしい勢いで焼かれて行くのがウルズ達の目には、
嫌でも移りこんできた。

「ク・・、間にあわない…!」

ウルズ達が街に到着すると、そこは既に焼け野原と化していた。

「お前達!!!」

スリサズが叫ぶ。

「あららーん、異質物ね。
残念だけど少し遅かったわねん」

「お前達、なにが目的でこんな事をするんだい!?」

アンサズが、強い口調でウィンドに問いかける。

「目的?これは再生よ?」

「何処が…再生だと言うんだ…!」

ウルズは、焼け野原と化した街を見て言う。

「ただの虐殺じゃないか…!」

「なに言ってるの?
あなた達も、望んでた事じゃない?」

ウルズが、その言葉に

「僕達は、こんな事望んで居ない…!」

「よく言うわん!
昔は、人類抹殺を御希望だったくせに!」

「それは…!」

ウィンドは高々に笑う、そして

「あははは!
まあ。良いわ、始末してん!
エアーズ・ピクシー達!」

無数に舞う機動兵器をウルズ達にけしかけてくる。


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