26話 羽ばたかない天使と堕ちた天使
リズナはいつものように甲板でていた。
最近はこの場所がお気に入りである
風が爽やかに靡くこの場所で
景色を眺めたり、
空を眺めるのはこの過酷な戦場の中で
少しでも心を癒してくれると思ったからだ。
リズナはこの戦場の中で色々と考え悩んだりしていた。
だがその姿は誰にも見せない。
彼女の心は、誰にでも心を開いているように見えて
実際は、真意を明かしたりていないように見えた。
それは彼女のが前の戦いで目の辺りにした
ある事が原因だった。
あれは彼女の“アレ”と同じ力だった
それは、どんな力より純粋で
どんな力よりも恐ろしい物だろう
使い方を誤れば、恐らく
“彼女”と同じ結末をたどる
あの時にそう思ったのだ
もう随分と長い時間ウルズ達と過ごしてきたが、
それはウルズ達にも決して言ってはいなかった。
やはり、かつて敵同士だったということ
いや、“アレ”を使いあんな事を成そうとしていた事が
大きな溝を開けているのだろうか。
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