26話 羽ばたかない天使と堕ちた天使 
リズナはいつものように甲板でていた。

最近はこの場所がお気に入りである
風が爽やかに靡くこの場所で
景色を眺めたり、
空を眺めるのはこの過酷な戦場の中で
少しでも心を癒してくれると思ったからだ。

リズナはこの戦場の中で色々と考え悩んだりしていた。
だがその姿は誰にも見せない。

彼女の心は、誰にでも心を開いているように見えて
実際は、真意を明かしたりていないように見えた。

それは彼女のが前の戦いで目の辺りにした
ある事が原因だった。
あれは彼女の“アレ”と同じ力だった

それは、どんな力より純粋で
どんな力よりも恐ろしい物だろう

使い方を誤れば、恐らく
“彼女”と同じ結末をたどる

あの時にそう思ったのだ

もう随分と長い時間ウルズ達と過ごしてきたが、
それはウルズ達にも決して言ってはいなかった。

やはり、かつて敵同士だったということ
いや、“アレ”を使いあんな事を成そうとしていた事が
大きな溝を開けているのだろうか。


[ 86/240 ]

 

INDEX

[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -