「ウルズさん
初めて会った時と比べて
表情が大分柔らかくなりましたよねっ」

「そうかな?僕は分からないが」

「リズナさんもウルズさん達が
変わったって喜んでましたよっ」

「リズナか」

思わず、リズナの名前を口ずさむ。

「・・・・。リズナさんがどうしたんですか??」

アイリスもウルズが思わず、
リズナの名前を口ずさんだ事が分かったらしい。
自分でリズナの名前を出しておいてなんだが、
彼女の名前が出た途端
ウルズの表情が変わった事に、
アイリスは嫌な気持ちになったが、
それをいつもの笑顔で隠しとおす。

彼が困っているならば力になりたい。

そう思って聞いたのだが。

そして、ウルズはアイリスの気持ちも
知らず質問に答えてくれた。

「いや…。」

そう言うと、
ウルズは少し間を開け、
何かを思いつめていたようであった。


リズナ…


彼女が皆の前で思いつめたような
表情をする事は無い。
それは、人間としては
よっぽど出来た人間と言う事なのだろう。

彼女はいつだってそうだった。
何でも自分ひとりで悩み、
決める
僕達の寿命を延ばした時も、
1人で勝手に決め、実行に移した。

イレギュラーと共に居た時もそうだったのであろうか?


間を開けた後、
ウルズはアイリスに問いかける。

「アイリス
リズナと言う人はどんな人だと思う?」

「…リズナさんは、
凄いと思いますっ
戦闘もお強いですし・・・」

確かに、彼女の戦闘能力は高い。
戦闘用に訓練されて居る事が
よく分かる。

「あと、しっかりしてると思いますっ」

「…彼女が一人で悩んだりしている姿…
見た事あるかい?」

「え?ないと思います」

落ち着いて考えてみれば、
彼女は今いる人間の中で
一番不安なところに居るのではないだろうか。
1人、別時代に舞い戻って来てしまい
そこでこの時代を守るための戦いに巻き込まれてしまった


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