第22話 闇の中の想い出

今日は、大地の退院日だった。
退院のお祝いに、ケンタ、リズナ、アスミ、ワカバが彼の元へ訪れていた。

「おっめっと!大地!」

「さんきゅ」

ケンタはそう言って、大地が好きなサッカーのボールをお祝い品に差し出した。

「大事にしろよな。高かったんだかんな、それ!」

「ケンタの癖にプレゼントとか活きな事するじゃねえかよ」

「うるせー」

2人の会話が少し続き途切れた隙を見計らい、リズナが

「大地君、退院おめでとう。これ良かったら食べて」

リズナは、大地に、祝杯用のお菓子を差し出す。
アスミ、ワカバもそれぞれ持ってきたお祝いの品を渡して、おめでとうと言うのだった。

全員が、祝杯の言葉を言い終えた後、ケンタが気になっていた事を話しだした。

「所で、例の頭痛は大丈夫なのかよ?」

「ん、ああ。問題ねえぜ。」

本当は、数日前より頻繁に声が聞こえる回数が増えているのだが。
彼はそれを隠して、問題ないと答えた。

「そっか、なら良かった。なんか違う病気でも見つかったのかと思って心配してたんだぜ?」

「ったく、心配性だな。お前」

4人の会話が一段楽すると、後ろで会話が終わるのを待っていた大地の両親が彼にそろそろ帰ると言った。
大地はそれに答え、3人にさようならをししケンタ達もそれに返事を返した。

大地が車に乗り込み、帰宅して行くのを確認すると3人も帰ろうとした時だった。
緊急の連絡が、リズナの携帯に鳴り響いた。

「もしもし?あ、ファレグ、どうしたのよ」

「水島君の、お祝い中すまんな。セルシリアの侵攻が始まった。急いで戻ってきてくれ」

「お祝いならたった今終わった所だから問題ないわ。」

「そうだったか、後ヴァルキュリアの修復が終わったらしい。お前の活躍期待しているぞ」

「おっけ、任せてよ。じゃあ今から急いで帰るわ」


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