セルシリアの、秘密基地へ帰ってきた日向と美影はスピアと対峙していた。

「で、被検体NO12はどうしていましたの?」

「…あいつなら、ピンピンしてたよ…」

「アクアマリンからの報告だと、貴方方は本気で殺そうとしていたように見えた。
とのことですけれどその方はいったいどう言う事か説明して頂けますわね?」

「…」

「説明できないという事ですのね?
やっぱり、あなた方に任せたのが大きな間違いでしたわ。
あなた方は自分達と被検体NO12がどれだけ価値が違うか分かっておいでですの?」

何も答えない日向と美影に、スピアは痛い言葉ばかりを続ける。

「分からないのはなら今教えて差し上げましょう
あなた方フェイクキャパシティーと、ケイパブルチルドレンとでは品質の差が比べ物なりませんわ。
いわばあなた方は欠陥品。被検体NO12は、完成品ですのよ
あなたがのようにいくらでも替えが利く代用品と一緒にしないで欲しいですわね」

スピアはそう言って、自分の研究室の方へ足を運び始めた。

「分かりましたわね?
次回から、自分達とケイパブルチルドレンとの品質の違いを弁えなさい」

その言葉を言い終えるとスピアは自分の研究室へ帰って行った。
スピアの姿が消えたのを確認すると美影はその場に座り込んだ。

「…もう、いや…。私、達は欠陥品なんかじゃない…のに…」

一粒涙が床に落ちる。

「やっぱり、私達は要らない人間なの…?
お母さんが言っていたように、生まれてこなければよかったの…?」

また一つ、また一つと続けて床に落ちる涙の雫。
そんな姉に駆け寄る日向。

「姉さん、泣かないで。
そんな事ない、そんな事ないよ。
ここで成果を出せば僕らは認められて
母さんの所に帰れるってディバス博士が言ってたじゃないか」

「そんなの、嘘…。
お母さんとお父さんは私達の能力を怖がって、研究所に寄付した…。
お母さんもお父さんも、私達の事が嫌いなんだよ…」

「で、でも…!
僕達の力が認められれば母さんや父さんの考えだって変わるかもしれないよ!
だからこうして、今此処で僕らはこの力を振るってるんじゃないか、姉さん!」

「…でも研究所は私達を捨てた…。
捨てられた私達は、他の人達からも嫌われて怖がられて…
日向、私はこの世界が憎いよ、もう嫌だよ…」

「姉さん…それは僕だって一緒だよ…。
僕達を忌み嫌った全ての奴らが憎い、嫌いだよ…!
だから世界に復讐するって誓ったじゃないか、僕らをこんな風にした連中全員に!!」

「うん…。だからまずケイパブルチルドレン…。
もう誰にも認められなくて良い…。私、全部に復讐したい」

「うん、姉さんがそう言うなら僕もだ。
もう母さんにも父さんにも認められなくて良い。ここの連中もそうだ。
復讐しよ、姉さん、世界中の僕らをこんな風にした奴ら全員に…!」


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