「せーっの!」

「じゃんけんぽん!!」

エレメンタルナイツは食堂にて、何やら遊んでいた。
4人でじゃんけんをしているようだが数回の合い子の後、敗者が決まったらしい。

「くっそぉ、あと少しでワカバに押し付けられそうだったのにー…!!」

「危ない所でした。もう少しで負けてしまう所でした」

「はいはい、じゃあ、負けたケンタ君が今日の奢りね〜。私カレーでよろしくっ!」

「じゃあ、私は今日うどんにするわ、よろしく」

アスミとリズナが、ケンタにそう言って自分の食事の料金を押し付けた。
ワカバも申し訳なさそうに

「で、では私も今日はおうどんでお願いします」

「へいへい、わぁーったよ。明日はぜってぇ勝つ!」

ケンタは、食券を買いに行き、そんなケンタを勝者の笑顔で見送った後アスミは、テンションが低めなリズナに話しかけた。

「リズナ、ウルズ達からS級について聞いたんでしょ」

アスミがリズナに尋ねた。

「ええ、あの子達なんだか複雑みたいね…
世界まで恨むほどの憎悪…。私はあの子達に何かしてあげれるかしら…」

「私あの子達の気持ち少し分かるな…。
ママ…シスターに孤児院に連れて来て貰うまでは必死な生活を送ってた。
あんな生活をずっと続けてたら、何かが狂うのも可笑しくないと思う」

「…」

「それにあの子達は私と違って、能力者なんだよね。
人に避けられたり、嫌われたり、私なんかよりずっと苦しい生活を送ってきたんだと思う」

リズナはそんなアスミの言葉に、心を痛めていた。

−必死な生活か…。私も、母さんにあの研究所に入れられた。
母さんに捨てられたも同然だけど、他の子は両親に捨てられたんだ…
でも、あの実験でそんな子供達は皆亡くなってしまった。
なんで私だけ生きてるんだろう。

なんで私だけこんな力を持っているんだろう

リズナはそう思って、アスミには見えないようにこぶしを握っていた。
リズナはアスミ対し言葉を投げた

「私には分からない。
どうしたら、あの子達をあの苦しみから救えるのか、私になにが出来るのか」

「リズナさん…」

ワカバが思わずリズナの名前を呼ぶ。そしてリズナは話を続けた。

「出来ればあの子達を救いたい、けれど分からないの。
どうしたら救えるのか、どうやれば開放してあげれるのか…」

そんな会話をしている最中だった。
緊急の警報が鳴り響いた。

それはS級の魔動機シャドウ、シルフィーの出現を知らせるものだった。


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