第21話 復讐
そこには、3人のアンドロイドと2人の少年少女が居た。
「聞きましてよ、たかがヒュッケバインタイプに圧倒されたそうですわね」
そう嫌味を発するのは、全体的に青い色の女だ。
その後に全体が桃色の少女が続く。
「やっぱダメだねー、出来損ないちゃんじゃぁ!きゃはは」
2人の嫌味に、ただただじっと耐える2人の姉弟。
「月影、戦闘ニ無駄ガ有リ。アレ以上ノ戦闘ハ、無駄ト判断」
白色の少女が冷静に前の戦闘の状況を述べると、そんな言葉に青い色の女は
「まあ、仕方ありませんわね!ただの素人の紛い物では底が知れて居ますもの!」
青い色の女の言葉についに耐え切れなくなったのか少年は言葉を発する。
「黙れ…!お前達に何が分かる、僕らのなにが!!」
「アハッハ、分かりますわよ?あなた方はお情けで、ディバス博士に拾われた出来損ないさんでしょう?」
「僕らは出来損ないなんかじゃない!!」
「まだ言いますの?あなた方は、能力を一定以上満たせなかった出来損ない。
お情けで、ディバス博士に拾われて今まで生き延びたんじゃありませんの!!」
「違う!!僕らは自分達の力で生きてきた…。
つい最近拾われただけでずっと自分達の力で生きてきたんだ!!」
「アハハハ、拾われる前は死ぬ寸前だったそうじゃありませんの!それなのに偉そうだこと!」
「黙れ!誰の助けも必要ない!僕らは僕らのやり方で、世界に、ケイパブルチルドレンに復讐するんだ!!」
そんな言い合いをしていると、向こうから3人のアンドロイドの創造主が歩いてきた。
その言い合いを聞いて居ただろうが、そのことに対しては何も言わず3人の元へ歩み寄る。
「アクアマリン、パール、ダイアモンド。例の物の調査はどうなっている?」
彼女らの創造主は、そう尋ねると真っ先に創造主の言葉に反応したのは最も命令に忠実なダイアモンドだった。
「SECRETDOLLハ、マダ見ツカッテイマセン」
それに続きパールが
「被検体NO12は、最近出て来ないんだよねー。
やっぱれんぽーの基地襲撃しちゃった方が早くないですかぁ?」
パールが軽くそう言った後、アクアマリンが創造主に跪き
「はい、ピッド様、2人の言う通り。シークレットドールも、被検体NO12も未だ捕獲に至っておりません」
その言葉にピッドは少し考え込む。
そして現在、侵攻の任務を与えられている月影達に視線を向けた。
「貴様らが現在侵攻任務を担当しているんだったな。状況はどうなっている?」
偉そうな態度で2人に尋ねると、月影達は少しの無言の後
「ちゃんとやってるよ。ケイパブルチルドレンも捕獲してくればいいんだろ」
「うん…。S級の魔動機も上手く起動してる…」
2人がそう言った後、ピッドは何かを考え込んだ。
確かこの2人は、能力でS級の魔動機に乗っているんだったな。
ククク、一度捨てたフェイクがこんな形で能力を発現するとはな…!
良いだろう、こいつらの能力もっと観察させてもらおう。
ピッドはそう考えた後、アクアマリンに命令をする。
「アクアマリン、次回の侵攻はお前もこいつらに付いていけ。被検体NO12も捕獲するチャンスだ」
「了解しましたわ。お2人とも次回はよろしくお願い致しますわね。精精足を引っ張らないようにして下さいな」
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