作戦任務が終わり、戻ってきたイーグレット達に、
他の地区でセルシリアの侵攻を食い止めていたリズナが珍しく自分から会いに来た。
勿論、スリサズもアンサズもそんな彼女を無視してさっさと行ってしまうがウルズは彼女に言葉をかけた。
「君が、僕達に会いに来るなんて珍しいね」
「…そうね。でも会いに来た訳じゃないわ、S級の様子を聞きに来ただけよ」
リズナはさっさと用件を言うと、ウルズは、日向と美影の言っていた言葉をリズナに教えた。
それを聞いた時のリズナの表情はとても、驚いた後、直ぐに悲しげに曇ってしまった。
「やはり、フェイクキャパシティーなのね…」
「ああ。親にも、他者からも蔑まれたと言っていた」
「そう…」
リズナの表情は、とても儚げだった。
何を思っているかはウルズには分からないが、それは今まで見た事のない人間の表情だった。
−力を持った子は、大体が親や親戚から気味悪がられ捨てられた子供だった…。
…フェイクキャパシティーは、そんな子供達をまた捨てた…
リズナは、あの時の事を思い出す
−あの実験で、施設の子供達は皆死んだ。
あの子達が受けた苦しみとあの実験で死ぬ事…どっちが辛くて、重いの…?
…でも私は生きてる…。あの子達から恨まれるのも仕方ないのかもしれない。
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