「一応その後、到着したアスミやケンタと一緒に
その辺一帯探したけれど他のビーストは見つからなかったわ」

リズナは、拠点に戻りファレグに事後報告をしていた。
その報告を受けたファレグが、付近一帯の地図と照らし合わせ

「地図にある範囲全域確認したのか?」

「ええ、数時間かけて、全部ね」

ふむ、と言った表情だ。
研究班に親ビースト遺体を引き取ってもらい、解剖した結果
親ビーストはオスであることが判明した。

「ワカバが一人でかなりの数片付けてたし大分減ったとは思う
それにメスだけじゃもう子供は産めないわ」

「そうだが・・・。まだ1匹残っている可能性があるというのは、な」

「そうね、でも全域探しても見つからなかったのよ。
後は一体どこを探せばいいのか見当もつかないわ」

リズナがそう言うと考え込む。
ファレグも地図と睨みあいを続けていると着信音が響いた。

ファレグが相手を確認すると、どうやら、軍の上層部かららしい。

「…はい、…ですが、まだこちらが片付いておりませんが。…はい。了解しました」

ファレグが通信をきると、大きなため息をついた。
その様子にリズナは

「一体どうしたの、リ−ダーさん」

「…どうやら、次は違う任務に来て欲しいらしい。」

「違う任務って、まだコレ終わってないでしょ?」

「ああ、そうだな。だが、これは他の者は引き継いでくれるようだな。
次はケニア周辺にある、"人工冬眠施設"付近のビースト退治らしい」

「ケニア、周辺の…、人工冬眠施設って、まさかアレ?」

「ああ、イージス計画が失敗した時用の、保険。「プロジェクト・アーク」のアレだ」

「でも、あれ今使ってないんじゃないの?」

彼女はファレグにそう尋ねる。
大地の揺り篭はイージス計画達成後も暫くの間は人工冬眠が続いたが
地球から脅威が“一時的”に去ったとプロジェクトアークに関わった人間達が、判断した。
その為、地球に“種の保存”をしなければならないほど大きな戦争、
またはプロジェクトアークに携わる科学者達の、
成すべき事、やり遂げたい事が達成されるまで
人工冬眠は解除され、使用はされていないはずだった



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