第20話 ヒュッケバイン-無限∞-

ビースト掃討任務から、数日後。そこは、険悪な空気が漂っていた。
イーグレット達の開発者イーグレット・フェフの来客により空気が重くなっていたのだ。

「それで、今回はどんなご用件で?」

ファレグが尋ねた。
するとフェフは

「今日は俺の子供達に用があって来た。」

それを聞くとファレグはイーグレット達の所へフェフを通した。

「フェフ博士、どうしました?」

ウルズがそう言うとフェフは大変満足そうな笑みを浮かべた。

「お前達の専用マシンが出来上がった。今日はそれを届けに来た」

そんな言葉に、アンサズもスリサズも目をキラキラさせた。

「本当かい?フェフ博士!」

「僕も量産型ヒュッケバインじゃそろそろ物足りなくなって来た所なんだよ!」

この2人は、フェフに対する態度は明らかに他の人間とは違っていた。

「ああ、付いてくると良い。
ついでだ、お前達にも見せてやる来い」

ファレグ達にも、付いてくる事を許可するとエレメンタルナイツの面々はフェフに付いていくのだった。


格納庫には、3機のヒュッケバインタイプが運び込まれていた。
右の機体は、ヒュッケバインタイプだが、ボクサーのように接近戦用の『ヒュッケバイン・インフィニティー』
足と、手の部分が別の金属で覆われており格闘戦を主体とする。
どうやらスリサズの機体のようだ。
その隣りが、万能型の『ヒュッケバイン・アンフィニー』
ウルズが、パイロットだ。
チャクラムシューターが特殊型になっており、大型のビームソードが付いている。
そして、左の機体が、『ヒュッケバイン・アペイロン』
遠距離型で、2つのフォトンライフルを搭載している事が特徴だ。

そして、その3つの機体の最も大きな特徴は、とあるシステムを搭載している事だった。
リズナやファレグには教えてはくれなかったが、
イーグレット達にはしっかりその内容を教えたようで3人ともとても機嫌が良かった。

「では、用は済ませた。俺はこれでラボに戻る」

そう言って用を済ませたフェフはさっさと自分の研究室に戻って行った。

フェフが去った事を確認すると、リズナが3機のヒュッケバインをまじまじと見て

「大そうなもんもってきたわね」

「相手は、S級魔動機だからな。にしてもこんなものをよくも数日作り上げられたものだ」

リズナは、そんなファレグの言葉に

「もっと前から作ってたんでしょうよ。きっとSの出現に急遽完成させたんでしょ」

「確かにな、Sの為に作ったにしては少々武装に物足りなさを感じるな。」

「そこは、マシンナリー・チルドレン君の実力でしょ」

リズナの素っ気無い態度にファレグは溜息がちに

「お前は本当にイーグレットが絡むと愛想が悪いな」

「そう?普通よ」

リズナはファレグに素っ気無い返事をし、新型のヒュッケバイン3機に視線を戻した。



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