「鯨…、鯱…。ではなさそうだねぇ、一体何なんだい!?」
アンサズの言葉に、スリサズが
「そんなもの確かめてみれば良いだけだろ!!」
そう言って、ヒュッケバインのフォトンライフルで影を狙い打った。
しかし、影はフォトンライフルの銃弾を上手く避け、一層スピードを増した。
「こ、こいつ…ッ!」
スリサズが思わず言葉を漏らした。
そんなスリサズを小馬鹿にするように、アンサズが言う。
「スリサズ、どうしたんだい?威勢が良かった割りに、ミスなんかしちゃってさ!
僕のように徹底的にやらないから、君はダメなんだよっっ!」
アンサズはヒュッケバインを加速させた。
波打ち際で、影と同スピードを出して、的確に影を狙う。
影は、徐々に追いやられ、壁際まで到達した。
「ほら、これでこいつの正体をたっぷり堪能できるよ?
さあ、正体は大きなお魚君かな、出て来ると良いよ?」
アンサズは、嘲笑しながらわざと影が飛び出すように狙い打つ。
すると、出てきたのは大きなサメだった。
その巨大さは、まるで古代のサメ、メガロドンを思わせる。
「…これはこれは、大きなサメ君じゃないか?
まさか、古代の生き残り…とか言うんじゃないだろうねぇ?」
アンサズはその巨体さに関心ながら言うと、アスミが
「そうだったとしても、なんでこんな所に居るの!?」
ウルズは、飛び出してきた巨大サメを見て、迅速に分析を開始していた。
「…データを参照した所、古代ザメ、メガロドンとは所々違った箇所が見られる。
恐らく、突然変異…、ビーストだと判断して問題はないと思うよ」
「メガロドンだったら、捕まえちゃう所だけど、ビーストならそんな事言ってらんないねっ!
ビーストは、凶暴かつ獰猛で人間を襲う確立が凄い高いかんね!」
「ああ、お前達、駆除を開始するよ」
アスミがの言葉にウルズは頷き、周りに指示を出し再び水中に潜った巨大サメを追撃に入った。
スリサズ、アンサズもそれに続き、巨大サメを狙い打つ。
「ちょこまか、ちょこまかと…!!」
水中に居る敵に、スリサズは苛立ちを露にする。
アンサズは、わざと、狙いを外すように、フォトンライフルを打ち込み、逃げる巨大サメを弄ぶ。
しかし、知能が高いのか徐々に、サメの動きが変化し狙いが合わなくなった。
「へぇ…。面白い、多少の知恵はあるようだねぇ!!」
アンサズはそんなサメをもっと正確に、だが決して当てないように狙い打った。
ウルズとアスミは、アンサズに追いたてられる巨大サメを、身動きが取れなくなるよう浅瀬へ誘導するように攻撃していた。
[78/110 ]
← →
Original Top
[しおりを挟む]