「ファレグ、行くわよ」

「ああ、いつでも来い」

リズナは、ファレグにそう言われA級魔動機、ソールフリューゲルで彼の乗るマシンに攻撃を仕掛けた。
ファレグは、彼女の乗るソールフリューゲルの攻撃を、上手く避け今度は自分の番とばかりに行動に移した。
リズナは彼の攻撃を避け、再度攻撃に転じた。

「あの2人すげえなぁ」

「ですね、新型2機をあそこまで上手く使いこなすなんて」

ケンタとワカバが素直な感想を述べ2人の練習試合を見ていた。
2人乗っている魔動機は、現在S級魔動機に対抗するために作られている
『デュオイディオスシリーズ』と呼ばれるものだ。
最も、ファレグの乗るルシフェルはそれの最新機で『デュオイディオスクルール』と呼ばれているが。
デュオイディオスシリーズの最大の特徴はモードチェンジだ。
これはS級以下の魔動機のために開発された人工形態変化能力システムで
クラスチェンジとは違い、大幅に能力は上がらないが
クラスチェンジと違い人工的な技術で行われる為覚醒している必要はなく、
いつでも自由に変形解除が可能と言う利点がある

「一時的なテストパイロットだと言うのに、なかなかだな、アイカワ」

「ファレグも貰って間もないって言うのに、なかなかやるじゃない!」

ソールフリューゲルは、ヴァルキュリアが修理中の間リズナがテストパイロットと言う事になっていた。
ソールフリューゲルは、基本形態は人型だが獣型と鳥型に形態を変える事で
風の能力と炎の能力を自在に操る事に長けた魔動機だ。
対してルシフェルは、人型を保ったまま闇と光モードを変化させる機体だ。

「そろそろ、一気にいくわよ!!」

ソールフリューゲルが、獣型のブラストグリフォンに変形する。
ファレグはそれに見構え、リズナの襲撃に備えた。
ブラストグリフォンは、翼から風を呼ぶブラストウィングを炸裂させた。
ファレグの乗るルシフェルは、ブラストウィングを避け2本の剣、デュオブレイドを持ちブラストグリフォンに斬りかかる。
リズナは、ブラストグリフォンを、機動力に長けた鳥型のブレイズフェニックスに変形させ華麗に避けて見せた。

ファレグが、更に攻撃へ移そうとした瞬間試合終了の合図は鳴り響いた。

「む、終わりか。アイカワ、おつかれ。さすがだったぞ」

「ファレグこそ、貰って初日だって言うのに、見事乗りこなしていたわね」

「お前だって、渡されて2日だろう。そんな変わらんさ」

「ヴァルキュリアの修理が長引きそうだからね。
本当に参ったわ、ヴァルキュリアの修理があと数日もかかるなんて」

「その為の、ソールフリューゲルだろう?」

「そうなんだけどね」


はぁ、とリズナが溜息ついた時、アスミが試合場に入ってきた。
どうやら解析の終わったデータを持って来たらしいが、その表情は明るくなかった。


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