戦いが終わり4人が、基地へ戻ってくると一番にリズナが彼らを出迎えた。

「4人とも!無事だったみたいね」

「ああ、あんな連中にやられっかよ!!」

威勢のいいケンタにリズナは安堵し、4人に戦況を教えて貰う。

「で、どうだったの?あの2機の様子は?」

「それが、お前とどうしても戦いたいみたいなんだよ、一体あいつらお前の何を恨んでるんだ?」

ケンタが言うと、その言葉にワカバが付け加える

「と、言うより…。ケイパブルチルドレン自体を恨んでいるようでした…。
ケイパブルチルドレンを全員殺すとかなんとか仰ってましたし…」

「ケイパブルチルドレンを全員?」

「はい、恐らくリズナさんもその一人の中に入っているので付け狙っているのではないかと」

「そうそう、ケイパブルチルドレンが居たから酷い目に会ったとか言ってたよ」

ワカバとアスミの言葉にリズナは言葉を詰まらせた。
その様子をファレグが確認する

「アイカワ、心当たりがあるのか?」

「…多少は…ね」

「どういう事だ?良ければ説明して貰えないか?」

リズナが小さく、ある言葉を口にした。

「…、フェイクキャパシティー…」

「フェイクキャパシティー?」

ファレグが聞き覚えのない言葉に聞き返した。

「私が昔居た施設には、ある程度能力を持った子供しか入れなかったの」

「…確か特殊能力研究所だったか…?」

「ええ…。研究員達が、一定を超えない子達の事をフェイクキャパシティーって呼んでいたわ。
フェイクキャパシティーと呼ばれた子供達は研究所から、追放されたって聞いてる」

リズナは、それを話す時とても辛そうな表情をしていた。
それは何処か儚げで、触れれば壊れてしまいそうな表情だった。

「それで、そのフェイクキャパシティーが何故お前達を恨む?」

「私にも詳しくは分からない…。けれど、研究所に居た子供達は殆どが孤児だったから…」

その言葉に、アスミが直ぐに反応した。

「孤児って…、親の居ない子達…?
じゃあ、研究所から追放された子達はその後どうなったの?!」

「…分からない…。何処かで今も暮らしているか。…それとも…」

リズナはそう言って口を閉ざしてしまった。
アスミもそんな彼女に、何も言えなくなってしまった。

「…だが、その後研究所に居た子供達は、研究所で起きた事故で全滅したと聞いているが…」

ファレグの言葉に、リズナは何も語らなかった。
一般には、特殊能力研究所に居た子供達は、研究所で起きた事故により全滅した事になっていた。
だが、それは研究員達が出地上げた嘘で、真実ではなかった。
リズナはその真相を知っていた為言葉を閉ざし、黙りこんでいた。



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