「ハハハ…。さあ、死ね…ッッ!」

そう笑いながら言うシャドウに乗る少年日向は、シャドウの武装、シャドウサイズを振るう。
イフリートは、その闇雲な攻撃を一撃一撃受け止めるが、相手の猛攻に徐々に押され気味であった。

「アスミさん、ケンタさんの援護をお願いします!」

「うん、分かってる!」

アスミは、召喚した水をシャドウへ放った。
シャドウもそれに気付き、シャドウサイズで水事切り裂いた

「ちっ、もう少しで殺せたのに…!」

ケンタはその間に距離を取り直し、アスミもイフリートの後ろへ位置どった。

「あいつら、攻撃が闇雲過ぎるぜ。」

「うん…。なんか、リズナを殺す事しか頭にないみたい…。
この子達の恨みって、一体どんな物なの…?」



「シルフィー・バタフリーの攻撃力じゃこのノームは落とせませんよ!大人しく投降しちゃって下さい!」

「うるさい…、投降なんか絶対にしない…」

シルフィーが風来の扇を一振りし、風圧による衝撃波を作り出した。

「まだ、やる気なんですね…!
ならこちらも全力で止めさせて頂きます!!」

ノームは、格闘戦に持ち込むため衝撃波を避けつつ一気に距離を詰める。
シルフィーは、風来の扇でそれに応戦する。

シルフィーの速さは、ノームの倍以上だが、乗り手である美影が使いこなせない。
それを狙った上での接近戦だった。

「く…!」

接近戦では、ノームの方が優れている為、段々苦しくなってくるシルフィーにシャドウが気付く。
日向は、ケンタとアスミとの戦いを中断し、咄嗟にシルフィーの援護に走った。

「姉さん!!」

「日向…!」

シャドウサイズで、ノームとシルフィーの間に割り込むシャドウ。
ワカバは、急に割り込んできたシャドウに、急遽退き、ケンタとアスミもそこへ駆け付けた

3機と2機は睨みあいを続けていたが先に動き出したのはシャドウとシルフィーだった。

「ケンタさん、来ますよ!!」

「ああ、分かってるぜ!!」

シャドウとシルフィーはまるで同調しているかのような動きでケンタ達を翻弄した。
アスミが援護に回っても、その動きはまるで崩れる事はなく綺麗に全ての動きを避け、こちらに攻撃してくる。

「チッ、なんだよ、さっきとまるで別の動きだぜ」

「はい…。2人の息がぴったりと言うよりも、同調しているかのようです…!」

ワカバもケンタも、その動きに梃子摺っており、アスミの援護があって押され気味だ

−この方達、先程の戦いを見ると素人も同然なはずです…。
でも、何故急にこんな動きを…?

ワカバは、シャドウ達の攻撃を避けつつ、この攻撃を打破する方法を考えていた。

「…分かった、次、右ね…」

シルフィーに乗る美影はそう言うと、シャドウと共に右へ旋廻しアスミの乗るウンディーネへ攻撃を仕掛けた。

「次は私って訳ね…!でも、そう簡単に…!!」

ウンディーネは、空気中の水分を、水に変化させシャドウとシルフィーの攻撃を防ぐ。
防がれた後、シャドウとシルフィーは綺麗に、動きを合わせ

「…日向…。分かった…」

美影がそう小さく呟き、2機は同時攻撃を今度はケンタに繰り出してきた。

「こいつら、なんてタイミングの良さなんだ!?ちっ、避けるのが精一杯だぜ!!」

2機の動きに、翻弄されるケンタ達。
まだ戦闘経験の浅い3人は避けるのが精一杯で、攻撃に移れないでいた。
そんな時だった、後方からビーム砲が撃ち出される。

「この攻撃、ファレグか?!」

「お前達、大丈夫か?」

「ああ。なんとかな…!」

ファレグが、支援に到着するとその様子を見た日向は

「…やっぱりケイパブルチルドレンは来ないみたいだね…」

「うん、来ないみたい」

「どうしようか、姉さん、今日は帰っちゃう?
こんな連中とこれ以上戦ってシャドウ達を破損するのも得策じゃないし」

「うん、そうだね…。帰ろう、日向」

そう言い2人は、部下達に合図をして撤退していく。
その様子を見たケンタが後を追おうとするがファレグが制止した。
彼の制止に、ケンタは大人しく従い今回の戦いは一段落したのだった。


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