第18話 問は投げ掛けられた
市街地の真ん中には、2機のS級魔動機が部下を従え破壊行動を繰り返していた
連邦のマシンが応戦するも、その圧倒的戦力差は埋まる事はなく一方的にやられていた。
そんな所へ、イフリート、ノーム、ウンディーネの3体が到着する。
「おい、お前ら!!これ以上やめろ!!」
ケンタが破壊行動を繰り返すセルシリアの敵機に警告するが、彼らは無視し破壊行動を続けていた。
「聞く耳なし見たいですね…!」
ワカバがそう言うと、相手のリーダー機であるシャドウとシルフィーから連絡が入った。
「ちょっと、向こうさんから連絡きたよ!?」
アスミがそう2人に教えるとケンタは
「どういう事だ…?向こうから連絡入れて来るなんてよ!」
「応答してみましょう、話し合いで解決出来るならそれが一番です」
ワカバが、連絡を受ける決断をし回線を繋げると
「…アイツは、どこ…?」
と、相手はいきなり謎の言葉を発した
「アイツとは…?一体誰の事です!?」
「決まってるじゃないか。ケイパブルチルドレンだよ…。
何処にいるんだよ、僕らはアイツに用があるんだ」
シャドウのパイロットがそう発する
それはアスミが誰か分かったようで
「…今日は来ないよ、今回の相手はあたし達。その2機返して貰うんだからねッ!」
「来ない…?あなた達に用なんかない…。
連れてきて、私はあのケイパブルチルドレンと戦いたいの…」
シルフィーに乗る少女は小さく言葉に出すと、シャドウに乗る少年がそれに続いた。
「邪魔をするなら…、仕方ないよ、姉さん。
こいつらなら殺しても文句言われないだろうし、殺っちゃおうよ」
「…そう、だね。日向…。そうしよう…」
シャドウと、シルフィーはそう言っていきなり襲いかかってくる。
突然の相手の行動に少し遅れを取ったが、イフリートに乗るケンタがシャドウの攻撃を受け止めた。
「わけわかんねえ事言ってんじゃねえよ!
リズナに何の恨みがあるのか知らねぇけど、やらせるかってんだよ!」
「…うるさい。お前に関係のない事だよ…!そこを退け!」
シルフィーも、ノームとウンディーネに襲いかかっていた。
遅れを取ったが持ち前の防御力でノームがシルフィーの攻撃をカバーしていた。
「退いて…。あなた達に用なんてないの…」
「行かせません!リズナさんは私達が守ります!!」
「そうだよ、リズナに何の恨みがあるのさ!?
殺したい程の恨みなんてあの子が何したって言うの!」
アスミが言うと、シルフィーに乗る、美影は
「…何をしたか?何をしたかって…?
私達は、ケイパブルチルドレンが居たせいで…私達は…!」
美影がそう言いかけると、それを聞いていた日向も
「そうさ、姉さんの言うとおり…。
ケイパブルチルドレンがいたせいで僕らは、酷い目にあったんだ…!
あんなやつ等が居なければ僕らは、僕らは…ッッッ!」
日向の感情が高ぶると、それに乗じて見影の反応も変わって行った。
日向の感情に合わせて、美影の感情も高ぶって居るようだ。
「そう、みんな、みんな、あいつらのせい…。
あいつらが居なければ、私達は…!!」
シルフィーの攻撃に耐えながらワカバは思っていた。
−…ケイパブルチルドレンのせいで、何があったと言うんです…?
ノームの後ろからウンディーネが、援護射撃を開始した。
ウンディーネの手に持った杖から、水を召喚しシルフィーに攻撃しながらアスミは言う。
「君達がどんな目にあったか知らないけど…。
それってリズナを殺して解決する事なの!?違うでしょ!?」
「うるさい!何も知らないお前達に、そんな事言われたくない…!何も、何も知らない癖に…!!!」
「知らないよ!!でも、リズナを殺して解決するわけないじゃん!!絶対君達間違ってるよ!!」
シルフィーは、一旦ノームから距離を置き、風来の扇を手にし、竜巻を作り出した。
それを見たノームも距離を取り、アスミは杖をハープに変形させた。
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