「あと気安く名前を呼ばないでくれるかい?
君達が呼んで良い程僕らは、平等じゃないんだよ?」

アンサズは続けて人間を馬鹿にする態度を取る姿は、未来の彼らを連想させた。

−…平等ではない、確か未来の彼も同じような事を…

そんな事を思っていると、ファレグと一緒に改造人間の情報を聞きに行っていた彼らの長兄の声が響いた。

「アンサズ、スリサズ。
彼らは今友好関係にある。そんな事は言ってはいけない」

長兄であるウルズの言葉に、2人は黙り込みウルズは、ワカバに謝罪した。

「2人が失礼な事を言ってしまった。すまない」

「あ、謝らないで下さい、そんな気にしてませんから!」

ワカバがそう言ってアスミも彼に言う

「そうだよ、全然気にしてないって、慣れたしね♪」

2人は、笑顔だった。
ウルズもそんな2人に安堵したようで、ファレグに今聞いてきた事を言うように施した。

「ああ、そうだったな。」

ファレグはそう言って、資料と共に改造人間に関しての話をし始めた。
リズナはその話に

「その話を待っていた所よ。で、本当に改造された人間だったの?」

リズナが単刀直入に聞くとファレグは

「ああ、間違いなく首から上は人間の物だそうだ」

「…お隣の中田さんなんだ、やっぱり…」

アスミは、俯いてしまった。
その様子にリズナは、アスミを気遣い悲しんだアスミは彼女の胸で泣き始めた。

「胴体と頭部を切断して…、人造人間を作るなんて」

ワカバは握りこぶしを強く握って怒りを押し殺しているようだ。
ウルズは、そんなワカバを見ながらこう言う。

「…一体何故このような事をしたのか謎だね…。
ヒトの頭部だけ使う理由が僕にはさっぱり見当がつかない」

「ああ、それは俺もだな。
セルシリアは一体何を考えているんだ?」

ファレグは言って、資料を見ながら頭を抱えている。
リズナは泣いているアスミを慰めつつ

「でも、コレで分かった事があるわ。
セルシリアは浚った人間を人体実験している。
あの青いヤツが言っていたと言う、有効活用って言うのはこれの事ね」

「そうみたいですね…、許せない…」

ワカバが唇を噛み締める。
リズナは資料を見つめて、冷静に物事を考えているようだ。
そんな彼女を見て、ウルズは

「君は、冷静なんだね」

ウルズの言葉にリズナは、即答した。

「…そうね。でも、セルシリアにはムカついてるわよ。
けれどまずは状況を把握して、最優先にやるべき事を考えなければ先へは進めない」

そう言うと資料を1ページずつめくり、情報を再確認するリズナ。
その資料の中には、生体改造された人間の他に敵のS級魔動機の情報も記されており
リズナは、今はS級魔動機の情報を再確認していた。

−…あの子達の情報は載ってないか…

S級魔動機に乗っていたあの姉弟の事はとても気がかりだった。
勿論、連れ去られた人間達の事も気になっていたが、彼女には
彼らが発した言葉は重たすぎる言葉だった。

−ケイパブルチルドレンが、あの子達を苦しめた…?
まさかあの施設の生き残り…?
いや…、でもあの施設で生き残ったのは私だけだと聞いてる。

彼女が過去に入れられていた研究施設の子供達は、ある事がきっかけで
彼女を残して全滅しているはずだった。


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