ケンタは、ある墓地の前に来ていた。
線香を沿え、目を閉じ手を併せた所だ。

この墓地に眠っているのは、ケンタと大地のチームメイト達だった。
あの時、バグスに襲われ奇跡的にも生き残ってしまったケンタは
片時もチームメイトの事忘れた事はなく
休暇が取れたり、ある程度期間を開けて頻繁に友人達の墓参りに来ていた。

−これ以上みんなみたいな人を増やさないよう、悪い連中は全部消してやる
俺、その為にあの時イフリートに乗ったんだ。

ケンタは手を併せながら心の中でそう言った。
そして心の中でこう続ける。

−エアロゲイターは、観察軍だって言ってやがった。
だからあいつらの本体はまだ地球にゃ来てねえんだ。
みんなの仇は絶対取る、約束するぜ…!

そして、目を開けて墓の前で力強くこう言った。

「後悔なんかしてねぇ。
俺はイフリートで地球を守りきる…!」





「……」

リズナと、スリサズ、アンサズの間には不穏な空気が流れていた。
と言うより会話をしない。

「あ、あのリズナさん…?」

ワカバは見兼ねてリズナに声をかける。

「ん、何?」

至って普通な返答。
しかし2人のイーグレットはガン無視だった。

それは此処最近の彼らの言動に問題が合った。
数日前までは、人間に理解を示したような態度を取り始めていたが一昨日頃から態度がいっぺん。
始めて会った頃の人間を馬鹿にする態度が目立ち始めたのだ。

それが気に入らないリズナは彼らを無視している、と言うわけだ。

「ね、スリサズ君?今日は、い、良い天気だね!」

アスミがおそるおそるスリサズに声をかけた。

「…」

こちらもアスミの事を無視だった。
そんな様子の3人にワカバもアスミも戸惑っていた。

アスミに至っては、数日前の人体改造の事件もありまだ落ち込み気味だというのに
周りの空気が悪すぎるのが耐えられず自分から声かけたりしていた。

「…アンサズさん、この茶菓子食べてみません?」

ワカバもこの場の空気をなんとかしようとアンサズに声をかけた
しかしアンサズは、

「要らないよ、人間が食べる物なんて。
僕らはそんなもの食べなくても生きていけるんだ」

その言葉にリズナは耳を傾けた。

歓迎会を開いた時と同じような言葉だった。
それは言葉の通り、一昨日から急激に当初の頃に戻ったかのように錯覚させる。

−この子達…、本当に一昨日から様子変わった気がするわね…

2日ほど前に、アスミが言っていた言葉を思い出しつつリズナは思った。



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