セルシリアのある拠点の格納庫で、4人の者達が何やら揉めていた。
主に言い合いをしているのは、青い色の女と、片目を髪の毛で隠した少年だった。
桃色が基調が女の子はそれを笑い、白色の少女は無感情でそこに立っていた。
そして最後の1人は、ただ下をうつむく少女だった。

「あらら、まーた虐めてんの〜。アクアねえちゃん」

「うるさいですわ。この姉弟達が先に喧嘩を売ってきましたのよ」

アクアマリンはそう言って、目の前にいる2人の姉弟を睨みつける。

「うるさい、人形…!姉さんの悪口を言うな…!!」

「あら、人形ですって?それは、あなた方もご一緒でしょう?
ディバス博士の大事なお人形ではありませんの!」

「違う、僕らは人形なんかじゃない。人間だ、ちゃんとした人間なんだ!!」

「あらあら、人間ですって?笑わせますわね!
おかしな力を持っていたがために親に捨てられた出来損ないが、よく言えます事!」

「うるさい!うるさい、僕らは人間だ、お前らみたいな本物の人形と一緒にするな!!」

「アハハハ!私達をただの人形と一緒にするつもりですの?
Tシリーズならともかく、私達Dシリーズをただの人形と一緒にするなんて
コレだから頭の悪い人間は困りますわ!」

そんな場にディバスがやってくる。
それを確認した白色の少女がアクアマリンへ教える。

「アクアマリン、ディバス博士ヤッテ来タ」

「あら、そうですの」

そう言ってアクアマリンはディバスから顔を逸らしながら嫌味を言い放つ。

「貴方が育てた子供達はとても素敵ですのね。私達に喧嘩を売ってくるとは驚きましたわ」

「ケケケ、アクアマリン、そう機嫌を損ねないで下さい。
子供達には私から言って聞かせますので」

「貴方の教育では底が知れて居ますわ」

ディバスはケケケと笑いはぐらかすと、月影姉弟の方へ歩いて行った。

「日向、美影、しばらくはあなた方に連邦軍の連中を任せたいそうですよ。
ケケケ、良かったですねぇ!ケイパブルチルドレンを懲らしめるチャンスですよ、ケケケ!」

ディバスの言葉を聴いた美影は顔を上げた。

「本当…?ケイパブルチルドレン、殺していいの…?」

「殺すのはダメですよ、美影。
懲らしめて連れてくるだけです、ケケケ」

「…なんで殺しちゃダメなの…」

「スピア殿がケイパブルチルドレンに用があるからですよ。
美影は良い子だからわかって頂けますよねぇ?」

「分かった、殺さない…。懲らしめるだけにする…」

「姉さん、そんなんじゃダメだよ」

ディバスと見影の会話に口を挟んだのは彼女の弟だった。

「懲らしめるって半殺し程度なら良いんだろ?それくらいじゃなきゃ僕は納得いかないよ、博士」

「ケケケ、本当に日向は威勢がいいですねぇ!
結構ですよ、殺さなければ問題ありません、生きてさえいれば大丈夫です。ケケケ!」

ディバスは高々に笑うと、日向も嬉しそうに姉に言う。

「良かったね、姉さん!
ケイパブルチルドレンを半殺しに出来るよ!喜んで!」

「うん…。半殺しにできる…、嬉しい」

そんなやり取りを見ていたアクアマリンとパール。

「半殺しですって?それは、ピッド様に許可を得た上で行うことですの?」

「そうだよ、スピアにも許可得てんの?許可も得ず、そんな事したらタダじゃ済まないよ?」

戦闘用のアンドロイドである2人は、命令に忠実だった。
今、ダイアモンド、アクアマリン、パールに与えられている命令は日本の侵略と被検体NO12の捕獲である。
その為彼女達は、ディバス達に抗議を行ったのだ。

「うるさい!!!黙ってよ!!!
僕らは、ケイパブルチルドレンを懲らしめてやるんだ!!!」

「そう、私達はあの時の事を絶対忘れない…。
だから私達が受けた苦しみ…を、あのケイパブルチルドレンに味あわせるの…」

そう言った姉弟から感じ取れるのは、激しく渦巻く憎悪と嫌悪だ。
それはもう殺気に変化しており戦闘用アンドロイドである3人にも分かる感情だった。

「アクア、パ−ル、命令ナイ、戦闘ダメ」

そう言ったのはダイアモンドだった。
なぜならば、月影達から感じ取れる殺気は、今邪魔をするアクアマリン達に向けられており、
それを確認したアクアマリン、パールは戦闘モードへ移行しようとしたからだった。

「…分かっていますわ。
ですが、ディバス。ピッド様のご命令を無視すれば貴方もタダでは済ませませんわ」

そうディバスに告げると、アクアマリンは2人を連れて自分達の調整ルームへ戻っていった。
去ったのを確認すると、ディバスは

「おお、怖いですねぇ!
さすがスピア殿の性格を映しただけの事はありますな。
さて…。日向、美影、半殺しして構いませんよ、存分に甚振ってくると良いですよ、ケケケ!」

美影と、日向は、修復を終えたシャドウと、シルフィーに乗り込んだ。
ディバスはその姿を見ながら不気味に笑っていたのだった。


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