第17話 影と樞

暗い研究室男は一人けらけらと笑い声をあげていた。
彼の前には、数本の培養液が入った試験管が並べられている。
その中には成人した男性から女性、小さな子供まで入っている。

「やはり、子供はダメですねぇ…。もう少し大きくならないと使い物になりません。
ああ、こっちの餓鬼は使えそうですねぇ、ケケケ…」

一人ぶつぶつ呟いていると彼の研究室の中に一人の女が入ってきた。
その女は彼の前に並べられている試験管を見るやこう言う。

「あら、全くご熱心ですこと、ディバス博士」

「ケケケ、これはこれはスピア殿。
こんな沢山の試験体が手に入ったんですよ?
これは沢山研究しておかないと損と言うものですよ、ケケケ」

「確かにそれは言えていますわね。
ピッド博士も、ジュエルシリーズの開発に熱を入れているようですし、
わたくしもあの子達の開発を早く進めないと行けませんわね」

「あなた様のアレは、被検体NO12が居ないと進まないのではなかったですか?」

「ええ、中々進みませんわね。
ですけれど、ファウストがつい最近出来上がりましたの
これが完成したと言う事は、あの子達の開発は急速になりますわ」

「おお、ファウストが完成しましたか。
あれは中々貴重なモノ…。丁寧に扱わないとなりませんねぇ、ケケケ!」

「ファウストから作り上げたあの子達をあなたに任せますわ。
と、言っても暫く調整が要りますから、まだ先の話ですけれど」

「ケケケ、これは光栄です。スピア博士、ケケケ」

「私の準備が整うまで、暫くは貴方の連れてきた子供達に任せようとおもっていますわ。」

「ほぅほぅ…。月影達にお任せになるのですか?それはまたどういった心境の変化で?」

「あの子達の調整が上手く言ってませんのよ。
でもあの子達には十分注意させてほしいですわね」

「…ケケ、それはケイパブルチルドレンへの執着に関してですかねぇ?」

「勿論ですわ、あの子達はケイパブルチルドレンへ執拗な執着を見せる…。
わたくしは被検体NO12を殺されたら困りますのよ」

「殺さないようにちゃんと言い聞かせておきますよ、ケケケ。
私も被検体NO12はちゃんと見て置きたいですからねぇ!」


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