「行けぇぇぇぇッッ!!」
インペトゥス・ウエンティーの横を猛スピードで炎の玉が擦り抜けた。
その炎の玉はシャドウにヒットする。
「日向…!」
シャドウは、その攻撃を受け火炎に包まれた。
そして、火炎に包まれたシャドウにその攻撃の主が切りかかった。
「もういっちょいくぜ!!」
炎を纏った剣で切りつけようとした瞬間危険を察知したシルフィーが援護に回った。
シルフィーに阻まれその攻撃の主は攻撃を中止する。
「遅いわよ、ケンタ!」
シャドウを攻撃した主は炎のS級魔動機 イフリート・ファイターだった。
「悪い!色々こっちも手間取っちまってさ!」
シャドウとシルフィーの前には今S級魔動機が2体、そしてA級の魔動機がいた。
恐らく今の2人にとって3対2はとても分が悪いだろう。
しかしそれでも2体は懲りずにヴァルキュリアを狙った。
「邪魔をするな…ッッ!」
「ケイパプルチルドレンは…許さない…!!」
2体の、憎しみと憎悪に任せた攻撃は単調だった。
心の闇に囚われた彼らには、周りが見えていないのだ。
そんな時だ。シャドウとシルフィーに通信が入る。
「ケケケ、日向、美影、そろそろお戻り頂けませんかねぇ?」
「ディバス!邪魔をするな…ッッ!」
「ケケケ…、まあまあそう言わないで下さいよ。
しかし、今のあなた方では勝ち目はありませんよ。
死に急ぐようなものだと思いますがねぇ。ケケ…」
「黙れ…!黙れ…ッッ
僕は、あのケイパブルチルドレンを殺すんだッッ!」
「ケケケ、それは愉快ですねぇ!でも、良いんですか?
今のままではあなた所か、大事なお姉様まで殺されてしまいますよ?」
そのディバスの発言を聞いた途端、日向は黙り込み…
「それは、ダメだ…。姉さんは…姉さんは…絶対死なせない…
嫌だ…姉さんが死ぬなんて、絶対…嫌だ…」
日向がそう言って泣き出し、ソレを見たディバスは大変愉快そうだ。
「ケケ、でしょう?
だからここは撤退した方が良いと提案してるんですよ」
「…わかった。従う。…いこ、姉さん」
そんな日向に美影は、小さく頷くと2人は撤退して行く。
そんな2人にリズナは…
−…ケイパブルトルドレンを憎む子供…?
まさか、あの子達は…
そう思うと彼らが飛び去った空を見上げたのだった。
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