−あの攻撃は闇の高位精霊によるミスティックか。
A級のインペトゥス・ウエンティーに効果絶大ってわけね…!

ファレグの様子を、シャドウの攻撃の合間に確認すると、
シルフィーがインペトゥス・ウエンティーに攻撃を加えている。

−あれは、まずいわね。

ファレグを救出しようと、ヴァルキュリアが光を集めた。
しかし、それはシャドウによって阻止される。

「何をしてるんだい…?
余所見しないでよ…!!」

「チッ…!」

シャドウサイズを勢いよく振り下ろした。
しかしヴァルキュリアは、

「あんたも…攻撃が雑、なのよッッ!」

そう言って、シャドウサイズを受け止め

「来い!」

シャイニング・レイ呼び出し、シャドウサイズを吹き飛ばした。
サイズを吹き飛ばされたシャドウは
それを確認するとヴァルキュリアから一時距離を置く

そして一旦吹き飛ばされ武器を戻し、
闇の球体の中から再度シャドウサイズを呼び出して構えるのだった。

そんなシャドウの行動を確認しつつ、ヴァルキュリアはライトブリンガーを構え

「私を倒したいなら…、もっと冷静になるのね…!」

そう言って光の球体を自身の周りに浮遊させる。
そんなヴァルキュリアが気に入らないシャドウのパイロット

「うざい、うざい、嫌い、嫌い…!
姉さんを傷つけるお前が憎くて、憎くて…仕方ない…!」

そう叫ぶとシャドウは自分自身を囲う様に濃い霧を発生させた。
それを見た瞬間リズナはソレが『何か』一瞬で理解する。

−闇のミスティック…!

その霧は、徐々に濃さを増して行き空を覆った。
太陽の光さえ遮るその霧は正に闇だ

「フフフ…。もうこれで逃げれない!」

そう言って高々に笑った後、シャドウのパイロットはシャドウサイズを構えなおした。


[55/110 ]

 

Original Top

[しおりを挟む]




BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
- ナノ -