「さすが、S級魔動機一の機動性ね!」

確かに避けるのはかなりギリギリではあるが
それでも彼女は余裕をこぼしていた。

「…むかつく…」

シルフィーのパイロットがそう呟いた。

ヴァルキュリアは光の玉を3つ呼び出してヴァルキュリアの前に設置する。
シルフィーはその光の玉に遮られ攻撃を止められてしまった。

「うざい…」

「もう攻撃はそれでおしまいかしら?」

ヴァルキュリアから聞こえる余裕に満ちた声。
その言葉に、苛立ちを覚えたシルフィーのパイロットは風来の扇をかざした。

「死んじゃえ…!」

風来の扇を振ると、強風は吹き荒れる。
その風はやがて周囲に巨大な竜巻を作り出した。

「これが高位精霊の風のミスティックか」

そして風来の扇をもう一振りすると、その竜巻はヴァルキュリアは突撃してくるのだ。
ヴァルキュリアは周囲に光を集めた。

ヴァルキュリアの集めた光は眩い光と優しい煌きを放ちながら
シルフィーが操る竜巻へ放たれた。

竜巻と光が接触した瞬間だった。

「そんなので…!」

シルフィーが扇を一振りして、竜巻の起動を変えようとした瞬間だった
ヴァルキュリアの放った光は一体を包み込んだ。

「!?」

竜巻も同時に飲み込まれ、
その状況を把握できなかったシルフィーのパイロット。
光は更に眩くも淡い、暖かい光を増していく。
その光は徐々に小さくなり周囲に、煌きながら注がれていった。

シルフィーのパイロットはようやく理解する。
竜巻は、その光によって消滅させられたのだ。


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