(スリサズ、アンサズは定期的に調整を受けている…。
僕に対しては、基盤が崩れるのを恐れて控えているようだが…)

ウルズは、連邦軍に貸し出される前の彼とのやり取りを思い出した

『ウルズよ、何故この間の一件、自ら駆除にのりでた?』

フェフに問われ、答えるウルズ

『…ニンゲンにまかせておけないと判断したからです』

その返答にフェフは

『…その考えは正しい。
しかしあの時お前達が連邦軍の前に出た事で
お前達の存在が知られた可能性がある』

『…申し訳ありません』

そうしてこう続ける、彼の創造主

『今お前達の存在を知られるのは得策ではないが…
しかし…これは良い機会かもしれんな…』

そうして彼は、何かをたくらんでいる黒い笑顔を浮かべた。

その後僕らは、
彼の野望のカモフラージュの為に連邦軍へ貸し出される事になった。
彼の野望とは
僕らマシンナリー・チルドレンの量産
そして、地球を僕らの支配下におくこと

全ての人間を駆逐し、マシンナリー・チルドレンだけの世界を作る

それが彼の野望だった。

まだ計画の駒が整っていない今の段階で
少しでも怪しまれるのを避けたかったのだろう

その為に、
アースクレイドルの管理、防衛用の人造人間と偽り
連邦軍に性能テストを依頼する事で思想のカモフラージュをしたのだ。


エレメンタツナイツに配属されたのにもちゃんと訳がある。
彼女らが始めての“目撃者”だったからだ

もし少しでも怪しんだり、不審な動きを見せるのなら
“抹殺”
それがこの部隊を配属された理由だ


そして貸し出されている間も
フェフの思想に賛同する狂った人間達と彼自身によって
スリサズとアンサズの調整は定期的に行われていた。
ウルズの場合は最初に言った通り
ベースに不具合が
出る事を恐れているため彼は殆ど調整が行われておらず
今まで体験、経験した事の記憶を普通に所持している

その為、スリサズやアンサズと比べて人間に対し理解や興味を示す事が多いのだ

「む、こんな時間か、この書類を上の連中に届けてこないといかんな」

ファレグはそう言ってウルズに挨拶をした。
彼もそんなファレグに挨拶をする。

ファレグの姿が見えなくなったのを確認すると、先ほどこちらを見ていた男の所へ近づいて行った。

ウルズが近づくと男は、声を出した

「気付いていたか。
オリジネイターよ、伝言がある」

「…常に監視しているくせによく言うね。なんだい?」

「そろそろ、お前の調整も行うそうだ」

その言葉にウルズは顔を濁らせた。
調整を受ければ、恐らく今まで過ごした記憶や経験、全て抹消されるだろう

「…いつ行う予定だい?」

「それは未定だ。丁度良い頃合を見計らいまた伝えに来る。
一応調整があると言う事を頭の隅に入れておけ」

用件だけ言うと男は、去って行き、ウルズはその場に立ち尽くしていた


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