「空さん」

「リズナちゃん?」

「すみません、お時間ないのに引き止めてしまって」

「いや、大丈夫だよ。何かな?」

「大地君の話なのですが…。あの声とは一体…?」

「ああ。あれか…ごめん、驚かせちゃって。」

「いえ、それは全然構わないのですが…。
あの様子だと、精神疾患のような物には
見えませんでしたので気になりまして…」

リズナの発言に空は少し驚いたように

「君も、精神疾患じゃないように見えるのかい?」

そんな空にリズナは意外そうな反応をする

「え…、あ。はい」

「そうか。いや、すまない
僕もアレは精神疾患には思えないんだ」

「空さんもですか?」

「うん、けれどどこを検査しても異常は見つからない。
…その結果、ストレスによる精神的なものだろうと、
他の医者は判断しているけどね」

「…なるほど。空さんは何か心当たりとかあるんですか?」

空はその質問に首を振る。
空の様子にリズナも考えたが、その時はやはり何も良い策は思いつかぬままだった


「…あ、コノハ?」

ワカバがロビーにて、自宅に電話している。
今電話の向こうにいる相手は妹のコノハ

「うん、そうだよ、姉さま」

「元気にしてた?お母様とお父様は御変わりない?」

「うん、ないよー!あ、姉さま!それからね!」

とても元気よさそうに姉のワカバと会話するコノハ。
姉と久しぶりに話せてとても嬉しいのだろう

「…あ、姉さま、まっててね…」

そう言うと、何か電話の向こうで誰かと会話するコノハ

「ごめんなさい、姉さま…そろそろ切らなきゃ。
アリスが怒ってるから」

―アリス?

ワカバが聞きなれない言葉に、心の中で言う。
そして妹に尋ねた。

「コノハ?アリスと言うのはお友達?」

「うん!大事なお友達だよ!」

「そう、よかったね。」

「うん、じゃあ姉さま!アリスが怒ってるからまたね!」

コノハは電話を一方的に切る。
そんな妹に


―コノハにお友達ができたかぁ

内心嬉しいような…姉離れして行く妹に寂しいような。

電話をしまい仲間達の所へ戻ろうすると、前からリズナが歩いてくる

「あ。リズナさん!」

従姉妹であるリズナに妹のコノハに友達が出来た事を
嬉しそうに報告する。

「ほんとうに?よかったじゃない。
あの子気が強くて、譲らないところあるから心配だったのよね」

「ええ、家にも呼んでいたみたいで!
本当によかったです!」

「ほぅ、大分仲が良いみたいね。
まあ、私に対してみたいにツンツンしなきゃいいけど…」

と、リズナはコノハの事を思い出しつつ苦笑い。
ワカバは今度ちょっと家に帰って見ようかなと思っていた。


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