「なんだよ、ファレグ!?…ええっ!?」

ケンタとワカバにも同じ入電だ。
この付近で暴動事件が起きていると言う。

それと同時に拉致事件も多発。

街は文字通り大混乱だった。


「どこだ…!?」

ケンタがそう口に出して暴動事件の場所を探る。
そんな様子をアクアマリンは見ながら

「アハハ、どうしましたの?動きがとまりましてよ!」

アクアマリンの乗るエーデルシュタインが
ビームライフルで連続射撃
ケンタはそれを自らのマシンで防御しながら暴動事件の場所を探る。

「あらあら、何かを探してますの?
そんな事していましたら、あなたが死んでしまいますわよ。アハハ!」

「クソッ!」


「ケンタさん!」

ワカバがケンタの置かれる状況を確認する。

(イフリートの防御力じゃ長くは持ちません…!なんとかしなきゃ!)

「どいて下さい!」

大地のミスティックを使用したとても強力な石の壁…
『アースフィールド』を用いて強行突破を図ろうとした時

「アクアマリン」

アクアマリンにある人物から通信が入った。

「あら、サファイア。そちらの“人体収集任務”は終わりましたの?」

「こちらは完了した。もう陽動は大丈夫だ。
“月影”達の方もうまく行っている」

「了解しましたわ、ダイア、パール帰りますわよ。
では、野蛮な火の魔動機さん、ごきげんようですわ」

アクアマリンは余裕げにエーデルシュタインで
投げキッスの動作をして飛び去って行った。
それにダイア、パールと続き3人は生き残った兵士を連れ撤収して行った



そんな状況を映すテレビを
とある病院の病室から見ている2人の兄弟が居た。

1人は水島空。
この軍と関係が深い病院の若い医師である。

もう1人はそんな空の弟
水島大地
ケンタと同じ学校のサッカー部であり、彼の親友だ。
そしてケンタが
火の魔動機『イフリート・ファイター』
の正式操縦者に選ばれる事になったあの事件の生き残りである。

その事件は、約1年程前の、
エアロゲイターの無人観察機コードネーム『バグス』によって引き起こされた。

バグスにより、グラウンドは焼け野原になり
奇跡的に軽傷だったケンタは
仲間達の仇、そしてこれ以上誰も傷ついて欲しくない。
そんな気持ちから自ら囮になった。
そんな彼の勇気と言う行動力に
イフリートの守護精霊『プロメテウス』は反応
近くで開発されていたイフリートと契約したのだ。

「…兄ちゃん…。あれケンタだよな…」

大地はニュースに映るイフリートを見て言った。
そのニュースを大地の点滴を取り替えながら見る空。

「そうだね」

「アイツ、ホントバカだよ。あんな危ない事しやがって…!
ケンタは逃げれたんだ。あんなヤバイことしないで
さっさと自分だけ逃げりゃよかったじゃんよ」

大地はあの時のケンタの行動を思い出しながら言う。
その様子に空は

「大地…ケンタ君の事が心配なんだね」

「は?ちげーよ!ただ俺はバカじゃないのかって言ってんだよ!
あの時逃げてりゃこんな事にはなんなかったんだぜ!?
こんな形で戦争に巻き込ま、れ…る…事な…」

『巻き込まれる事なんかなかったのに』と言おうとした瞬間だった。
大地は頭を抑え、頭痛を堪える。

「大地!?大丈夫か!?」

空はそんな大地の肩を支えてやる。

「…また、だ…」

「またあの声かい?」

あの声…
大地がここ数週間前から悩まされているものだった。

「ああ…また、聞こえた…。くそっ、なんなんだよ、これ!」


大地はそう言うと、ベッドを叩く。
時々、頭に響く謎の男の声…

他の医者は精神的なものだと言う。

しかし、誰も気付かなかった。

この声がこれから起きる事、関わる人間を救う事になる
最も重要なものだとは…


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