「あー、うざい、うざいなぁ、もう!」

パールは、スリサズとの戦闘に苛立ちを剥き出しにしていた。
それは同じ人造人間である故に、
行動パターンなどが似ていてお互い一歩も譲らない戦闘だったからだ。

「それは、お前だよッ!
さっさと、僕の前から…消えろッ!」

スリサズはそう言って、チャクラムシューターで
パールのエーデルシュタインの腕を捕えた。

「ハハハッ、もう逃げられないよッ!」

その様子を、一瞬みつめて

「こんなので捕まえたつもりなんだ?」

それは幼い少女の姿をしているとは思えない笑顔

「…これだから、頭の悪い人は…!」

そう言うと、自らエーデルシュタインの腕をもぎ取り

「きゃははっ、さぁ、もっかい遊ぼっ!!」

「ちッ…!」


アクアマリンは、ケンタの炎のミスティックを避けながらも尚
余裕を零している。

「さーて、野蛮な火の魔動機さん。ここで良い事を教えてあげますわ」

「は!?余裕こきやがってぇ!!」

「フフフ、もっと我がセルシリア帝国を問題視して貰わないとつまらないですもの。
この間民間の方々が沢山行方不明になりませんでしたこと?」

その言葉に、ダイアと戦闘中のワカバが反応した。

「いきなり何を…!?」

「あれは、わたくしたちセルシリア帝国の仕業ですのよ」

ケンタがそのアクアマリンの言葉に、即答する。

「んなことは、最初から予想できてたっつーのっ!!」

「あら、そうでしたの?それは残念ですわ」

とてもつまらなさそうに言うアクアマリン。
そんな彼女にケンタは

「ふざけんな!拉致した人らはどうしたんだよ!!」

「あら、気になりますの?そんな心配しなくても大丈夫ですわよ?
ぜーんいんちゃーんと“有効利用”致しますから」

“有効利用”という人間をモノ扱いするアクアマリンにケンタは怒る。

「…てめぇ…ッ!人間をなんだとおもってやがるッ!?」

「あら、ニンゲンなんて殆どが
そこらにいる微生物や、虫なんかと一緒じゃないんですの?」

「ふっざけんなよ、てめぇッッ!!」


ワカバにもアクアマリンの外道な発言は聞こえていた。

「なんて人…!許せない…!」

ワカバも怒りが込みあげ、ケンタの応援に行こうと思った瞬間。

「…TARGET…、FIRE」

ダイアの射撃がノームを襲う。

「…あなたも同じ考えなんです…?!」

その質問にダイアは答えない。
いや、意味を理解していないのが正解か。

無言でワカバに射撃を繰り返すダイア

「…問答無用ですか…。わかりました…。あなたも倒します!」




「アハハッ!アクアねーちゃんの言うとおりだよね!
んで、君も微生物なんかと一緒だよッ!あははっ!!」

パールは自らもぎ取った腕を武器にスリサズに攻撃をしていた。
スリサズも反撃に出たいが、相手は同じ人造人間
製作のコンセプトが似ているのか、
考え方が似ているためなかなか隙が見つけられない。

「どおしたの!さっきの勢いは、どこいったのかなー!」

「舐めるなよ…、ゴミ人形…ッ!!」

スリサズが、少し無理をしてでも反撃に出ようと思った時
ウルズとファレグから連絡が入る。

「なんだよ、ウルズ!今忙しいんだよッ!」

スリサズがいらつきながら言うと
ウルズは何も反応せずに用件だけ伝えた。

「おまえの戦闘している付近で、また暴動事件が起きている。
民間人を巻き込まないように、戦闘場所を変更するように誘導するんだ」

「ハァ?!やだねッ!
何で僕が人間なんかの為にそんな事しなきゃいけないんだ!?
ニンゲンなんか勝手に死んでなくなればいいんだよッ!」

スリサズの過激な発言に対しウルズは一瞬顔を曇らせる。
アンサズはそんな発言に

「スリサズの言うとおりだけどさぁ、ウルズの命令だよ?
ウルズを怒らせると、後が怖いよ?
言う事聞いておいたほうが良いと思うけどねぇ?」

恐らく内心ではスリサズと同じ事を思って居ただろうが
アンサズは大人しくウルズの指示に従っている。

「わかったよ、ウルズ…!」

スリサズは、舌打ちしながらウルズの指示に従う為パールを誘導する。
しかしパールはその場所から微動だにせず

「チッ、この木偶人形がッ…!」


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