エレメンタルナイツが外国に滞在中の出来事だった。
民間人が大量に行方不明になる。
拉致されたのだ

そんな中とある研究施設では、
女性科学者スピアと、もう1人の見慣れない男がなにやら会話していた。

「ケケケ、いかがです?私が調整した、あの子達の調子は?」

「順調ですわよ。ディバス博士」

「ケケケ、それはよかったですよ。
それで私が頼んだやつはどうなってるんです?」

「ピッドから借りた2体に、実行させていますわよ。
それから、ピッドもこちらに来るそうですわ。
“被検体No12”がどうしても欲しいんですのね。
まあ、わたくしもあの子は是非とも手に入れたいですけども」

「ケケケ、いいのではないですか?
戦力は多いほうが侵略しやすいですしねぇ?
ただでさえ日本は色々な研究所があって、攻略しづらいんですよ」

確かに日本にはやたら研究施設が多く、
起動兵器やスーパーロボットと呼ばれる物達が集中していた。

以上の理由から日本は小さい列島ながらも
最も攻略の難しい国だとディバスは踏んでいたのである。

「その為に、あなたのメインラボも日本に置いてあるのでしょう?スピア殿」

「ええ、あの子達を大量に作り上げ、一気に侵攻作戦をする為ですわ
…その為に、“オリジナル”のデータがもっと欲しいというわけですのよ」

「ケケケ、さすがですな。スピア殿は。
わたしも、あれを量産しその作戦を手伝わないとなりませんねぇ」

「フフフ、あなたの精神改造技術や生体改造技術はとても素晴らしいものですわ」

「畏れいります…、ケケケ…」

2人のマッドサイエンティストは、不気味に笑いあった。




「TARGET確認…FIRE」

そう言って、軍の量産型起動兵器を次々駆逐するのは白色のエーデルシュタイン
目撃者は誰一人生かして返さない。

「さすが、ファーストジュエル…ダイアモンドね」

そう白いエーデルシュタインに対して言うのは水色のエーデルシュタイン

「サファイア…、次ノ命令」

ダイアモンドは機械的な口調でそう言うと、サファイアは不気味な笑みを零し

「ピッド様のご命令どおり…。アンドロイド兵士に民間人を拉致させなさい」

「了解。アンドロイド…、任務開始」

その命令と共に、アンドロイド兵士が起動兵器から飛び降りる。
そして民間人を次々と捕え、檻のようなモノの中へ放り込んでいく。

人々は悲鳴をあげ逃げ惑うが、
アンドロイド兵士の人間離れした能力に何の抵抗も出来ずに捕えられていく。

それは全て鮮やかなものだった。
目撃者は誰もいない。
いや、居たのかもしれないが全て拉致されたか…。それとも殺されたか。

防犯カメラは見事に全て破壊されている。
それは人間には出来ない芸当だろう。
技術、知能の高さを物語る。

しかも、ある一点不可解な所も残っていた。
これは、おそらく他にも“誰か”居たことを意味していた。


そして、拉致された人間は…ディバスにより生まれ変わる。



「…ディバス博士、こんなやり方でいいのかい?」

14歳くらいの少年の声だった。
黒い髪の毛で右目を隠している。

「ケケケ、問題ないですよ。
こんなに大量にサンプルが手に入りましたし」

嬉しそうに笑うディバス、それをみた少年は

「そう?でも連邦軍に凄く疑われてるみたいじゃない。
僕らに任せてくれれば疑われずに
沢山の人間を集めてきてあげるのに…。ね、姉さん?」

そう言った少年の目先にいるのは、
黒い髪が地面につきそうなくらい伸びた少年と同じ年くらいの女の子だった


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