「マスター…戻りました」

青い起動兵器のパイロットは、謎の男にひざまづいていた

「おかえり、アクアマリン。
他の子からの報告はもう聞いているよ。お前の方の任務はどうだった?」

「大したことございませんでしたわ」

その返答に、男は後ろに控える少女に報告する。

「だそうです、女帝。いかがしましょうか」

「…では、予定通り。世界へ伝達するのだ…」

その言葉に男はにやりと不気味な笑みを浮かべた。

「御意…」





「へえ、アクア姉ちゃん。負けてきたのー?」

全身ピンク色の幼い少女がアクアマリンをバカにしている。

「パール、口を慎みなさい。わたくしは分が悪いと判断したまでですのよ」

「へー、ほんとかな?
じゃあ、次は私が行ってこよっかな。あの伝達も伝えなきゃいけないんでしょ?」

パールは笑顔のままそう話す。
アクアマリンは

「勝手になさいな。ですが、ピッド様のお言葉はちゃんと伝えるのですよ」

「わーっかてるよ、じゃあ行ってきまーすっ」








「で…、また…所属不明機ね…」

リズナは目の前にいる桃色の起動兵器を見て行った。
先程の青い起動兵器とは色違いだ。

「同じ所属だろうな。今度こそ聞き出すぞ」

ファレグがインペトゥス・ウエンティーを加速させた。
そしてパールの乗る、エーデルシュタインへ奇襲を仕掛ける

「わー、はやーい。
けど、私のエーデルシュタインにはかなわないかっな!」

パールは、インペトゥス・ウエンティーにも劣らぬスピードだ。

「…早いな。しかし…判断力がたらんな」

そう呟くと、ファレグはスピードを落す。

「? 何スピード勝負はおしまい〜?」

ファレグは、インペトゥス・ウエンティーのミスティックを使用する。

「おおー、何するの!何するの!」

パ−ルは楽しそうに言う。
インペトゥス・ウエンティーは風を操った。
そしてその風で竜巻を起こす。

「…なーんだ。そんなのか」

その竜巻を見て、パールがつまらなさそうに言う。
そして額のピンク色の宝石のような部分からビームを放った。
ビームは竜巻を、破壊し他の場所で爆発を起こした。

「…なかなかの破壊力だな」

ファレグは冷静に分析する。
そんな戦闘の様子をパールの部下と思われる
起動兵器を相手にしながら他のメンバーが見ていた。

「あいつ…かなり強いね」

アスミが言う。ケンタも

「ああ、言動とかガキだけど…腕は確かだろうな」

そんなときだった。パールの動きが止まる。

「…動きが止まった?」

「はいはい、世界中の皆さん注目ー!」

楽しそうに、とんでもない言葉を発する少女
それは世界中が、耳を疑う言葉だった。

「セルシリア帝国はこれより、
全世界に、全宇宙に、宣戦布告しまーっす!」

「な…!?」

「宣戦布告って!?」

「セルシリア帝国ってどこだよ。
ってか、なんだよ、全世界に宣戦布告って!?」

皆が驚いていると、パールは飛び切りの笑顔で。

「はいはい、っていうわけでー!」

その後の言葉はひどく重く冷たい声。
顔は楽しそうな笑顔だが…狂ったような…言い表しがたい表情だ。

「ここにいる人。ぜーんいん皆殺しでーす!」

そして響く、とても幼い少女とは思えない下品な笑い声。

「…止めるぞ。リジナムス、援護しろ」

「うん、勝手なことさせられないもんね!」

ファレグとアスミがパールを止めに入る。

「邪魔するのー?じゃあ、いいよ。君たちからネェッ!」

笑い声と共に、攻撃を連発するし少女。
ウンディーネがその攻撃を、援護射撃にて撃ち落しながら、
インペトゥス・ウエンティーが間合いを詰めていく

「もう、うっとしいんだよっ!消えちゃェェェッ!」

額の宝石部分からビームを乱射するパール。
それを全て見事な腕前で避けるファレグ。


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