第6話 セルシリア

格納庫でファレグと、リズナが会話していた。

「しばらくここに駐在するの?」

「ああ。」

リズナは、あの後もあまり3人と会話する事はなかった。
他のメンバーは何とか名前を無理矢理聞き出す程度には接しているようだ。

そんなリズナにファレグは

「少しは、あいつらと喋ったらどうだ?」

「話すこと…ある?」

その言葉にファレグも困る。


そんな会話が止まった時だった。

エマージェンシーだ。
どうやら所属不明の起動兵器が襲来したらしい。

2人は急いで出撃する為に格納庫へ向かう。

「ファレグさん、今入った情報によると所属不明の起動兵器が数体。
ニューヨークの街中で暴れてるみたいです」

ワカバがそう言うと、ファレグは愛機
インペトゥス・ウエンティーに乗り込み、号令する。

「まずは所属不明機を沈静する。被害は最小限に抑えろ」

アスミが回りをみて

「あれ、イーグレット君たちは出撃しないの?」

その言葉に、ファレグが溜息交じりに

「…無視された」

「ええ!?」

「あ、相変わらずなんですね…」

ワカバが苦笑い。
そんな様子をリズナが横目で見つつ

「さっさと行くよ」

そう言って先に出撃してしまう。
そんなリズナを見たファレグが又溜息をつく

「相変わらず、イーグレットが絡むと愛想がないな」



そこにいたのは深海のように青い色をした起動兵器と、
それを量産したような起動兵器だった。

「所属不明機。こんな街中で暴れて何してるの
今すぐ武器を下ろして投降しなさい」

リズナがそう言うと、その青い起動兵器は無反応だった。
…というより無視している。

「…無視か。
なら、力づくで大人しくしてもらうけど構わないわ…ねッ!」

リズナは、言葉と同時に青い起動兵器へ戦闘を仕掛けた。

ヴァルキュリアは、シャイニングレイを2体召喚し、ライトブリンガーを手にした。
シャイニングレイに援護させつつ、ライトブリンガーで斬りつける。

青い起動兵器は、それに応戦しビームソードを取り出す。

ライトブリンガーとビームソードがぶつかり合う。

「ッ!」

ヴァルキュリアが一旦退く。
しかし、青い起動兵器は追いかけてくる。

ヴァルキュリアはシャイニングレイに援護させると
シャイニングレイの光線を部下であろう起動兵器を盾に防ぐ。

「…あんたの部下でしょうに…!」

ヴァルキュリアは、シャイニングレイを3つに増やし飛ばす。
しかし、全て部下である起動兵器を盾にかわされてしまう

そんなときだった。
青い起動兵器がついに声を発した

「その程度ですの?」

「なっ!?」

余裕たっぷりのその声は若い女の声だ。

「本当にこれだから、人間はだめですのよ!」

そう言って、部下の起動兵器に一斉に襲わせる。
しかし後ろから救援に来た他のエレメンタルナイツに次々倒されていく。


「…へぇ…なるほど…。
これが…。まぁ、良いですわ。今日はこの辺にしておきますわ」

そう言って、最後まで余裕を見せ付ける謎の起動兵器は撤退して行く。

「何…なの…あいつ?」

リズナはそう言うと、またもや嫌な胸騒ぎを覚えていた。


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