「ふぅ、やっと終わったか。やっぱ堅苦しいのはダメだぜ!」

「ですね。私上の方がいると緊張してしまって…」

「うんうん、めんどくさいもんね!
あ、自己紹介しよーよ!私アスミ・リジナムスよろしく!」

その自己紹介に、3人は無反応

「あれ…?なんも反応なし!!?」

「アスミ、ドン引きされてんじゃねーの?」

ケンタがそう言うとそんな事ないよ!と言いながらもう一度話しかけようしたとき
黄色と、紫の少年が場の空気を凍りつかせた。

「お前達と馴れ合う気はない」

その凍った空気に、ケンタは思わず聞き返してしまう。

「…え、えっーと、それはどういう意味っすかね…?」

「聞こえなかったのかい?
君達と仲良しごっこするときはないって言ったんだよ?」

そう言ったのは、黒と青の髪の少年。

さらに悪くなるその場の空気。
ワカバがなんとかこの空気を変えようと

「で、でもこれからご一緒に行動するわけですし…」

「そ、そうだよ。仲良くしよーよ、ねっ?」

アスミも一緒にこの空気を変えようと頑張る。

そして、最後の口を開いたのはリーダー格である、
紫に赤の混じった少年だった。

「…命令や、任務は共に行動はすると言ったけれどね。
それ以外は馴れ合う気はない」

そう言って、3人はその部屋を退室して行く。
その後姿を、苦笑いと共に見送るメンバー。

完全に退室した後、一瞬間を置き

「なんだよ、あれ!!!!」

一番最初に突っ込んだのはケンタ

「…なんだろうね…」

アスミも思わず言う

「ええ…。難しそうな方々ですね…」

どうやらワカバも同じ意見らしい。
そんな意見を、聞きながらリズナが意外な意見

「私も…あの人らと馴れ合う気ない」

「え?」

4人が全く同じ反応だった
ファレグさえも同じ反応するほど、意外な意見だった。

リズナは、よっぽどの事がない限り誰とでも仲良くする人柄である。
ましてや初対面でそんな事を言うとは思わなかったのだろう。

…実際はリズナは彼らと初対面ではないのだが。
しかし彼らにとっては初対面であった。

それは、時間の亀裂が産んだとても不可解で、普通なら理解しがたい状況

今の彼らは“まだ”何もしていない。

そう、今は。

何も知らない人間に、未来で彼らは、
人類を抹殺しようと企み、それを阻止してきた
など、と言った所で誰が信用するだろう?

彼女も分かっていた。

彼らが“まだ”何もしていないなんて事は

しかし

地球を汚染する人類を抹殺し、自分達だけの世界を作る。


それが彼らの未来


それを知っているだけに、彼女は彼らを危険視する。


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