第5話 未来の君と現在の君

彼女の前に現れた3人の少年。
それは3人とも姿形は殆ど一緒だった。
違うのは、髪の色、服装、性格だけだ。

「…じょ、上官、彼らは…?」

リズナが思わず、上官に確認する。
すると上官は

「彼はイーグレット・フェフ博士だ。元DCの科学者でね。
今はアースクレイドルの開発、管理を担当している。」

その言葉に、リズナは

―この人が…イーグレット・フェフ…?

あの未来世界で、メイガスに仕える少年は言っていた。

僕らの創造主はイーグレット・フェフだと。
そして彼は、この男の事を心底見下していたのを覚えている。

黙り込んだリズナの代わりにファレグが話を続けた。

「それで、何故ここに?」

「イーグレット博士がお作りになった“人造人間”
の性能調査をしたいのだそうだ。
今後のアースクレイドル防衛と管理に不備がでぬように、とな」

「では、後ろの少年達が?」

「うむ、博士が創造した“人造人間 マシンナリー・チルドレン”だよ
アースクレイドルの管理と防衛を目的に作られている。」

リズナはそれに、再び口を開く。

「…何故私達を呼んだのですか」

その言葉に、上官に代わりフェフが話しだした。

「お前達に、俺の子供達を貸し出す」

「!?」

自分の耳を疑った。
貸し出す?…どういう事だ?
私たちと共に行動させるという事か?

ファレグは、確認の為聞き返す。

「彼らを、エレメンタツナイツへ配属させると言う事でしょうか?」

上官はその言葉に

「配属ではない。共に行動してもらうだけだ」

「…そうなりますと、指示なんかはどうすれば?」

そこでフェフが横から話しだした。

「貸し出している間は、お前達に従わせる。」

ファレグはそれに納得したのか、了解しましたと言うと、発言を控えるようだ。
リズナは納得ができず、発言を続けた。

「しかし、どうして我が部隊なのでしょうか?
う、内は魔動機規定なんかもあり、任務や出動は少ないほうですが…」

その言葉に、納得の行く返答は返って来なかった。
しかしフェフはある発言をする。

「俺が希望した。それだけだ」

―何故?
それを言えっつーのに…!

リズナが発言しようとすると、上官はそれをさせず

「では、お前たちいいな?彼らにはくれぐれも粗相のないように。
では、博士参りましょうか。」

そう言うとイーグレットと、上官は彼らを残し退室して行く。
その場に残されたエレメンタツナイツ。
今までずっと黙っていた他の3人が、騒ぎ出した。


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