そこにいたのは、30代後半くらいの男だった。
どうやら“何か”を研究し開発している科学者らしく
今回この男が、開発した“何か”を
連邦軍への友好の証として貸し出してくれるらしい。

そんな、常から上から目線の科学者の男に上官は何故かペコペコしている。
どうやら、かなり優秀な科学者で、
今から貸し出されるものも、とてつもなく凄いものなのだろう

そんな男がリズナに話しかけてくる。

「リズナ・アイカワか」

何故私の事を知ってるんだ、と思いながらリズナは挨拶した。

「はい、エレメンタルナイツ所属。リズナ・アイカワです。」

「…噂はよく耳にする。幼い頃からな」

「…ありがとうございます」

幼い頃。
あの呼び名で呼ばれてた頃だろうか

「戦慄のヘカテー…さぞ、素晴らしい戦果を出したのだろうな?」

“戦慄のヘカテー”とは彼女の幼少の頃の通り名だった
幼いながらに、幾多の任務、幾多の戦勝をあげへ
畏れられると同時に恐れられた名前。

それと同時に彼女には辛すぎる記憶だった。

「…恐れ入ります」

「…お前には興味がある。
自在に、念動力を操れると同時に、どんなマシンもモノにできるそうだな。
人間にしておくにはとても惜しい才能だよ」

そんな言葉の中におかしな言葉があるとリズナは思いつつも、
「とんでもございません」と一礼する。

―人間にしておくには?おかしな言い方ね
まるで自分が人間じゃないみたい


そんな会話をしていると、横から上官がなにやら科学者に耳打ちをする。


「…そうだな。では紹介しよう。俺の子供達だ」

科学者がそう言うと、奥から3人の少年達が姿を現した。
彼らの姿にリズナは再び言葉を失うのだった。

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