目の前には、全身が水色の少女が立っている。
その隣りに少女の創造主が並んでいた。
「それで質問に答えて頂こうか、何故殺そうとした?」
「…」
日向と美影は黙りこんだ。
顔を逸らし決して相手の顔を見ない。
「答えられないと言うのか?」
次々と投げられる質問に黙りこむ月影姉弟。
「貴様らは、スピアにこう教わらなかったか?お前達は、“欠陥品”だとな」
その言葉に日向が小さくこう言う。
「欠陥品なんかじゃない…」
「フェイクキャパシティー…貴様らの能力は一度偽者として捨てた物だ
だが、今回お前達は被検体NO12に精神攻撃を仕掛けて、5割成功したそうだな?」
「…」
「あと1度だけチャンスをやる。“欠陥品”のお前達の最後のチャンスだ。
被検体NO12を生け捕りにして連れてこい。命令違反すれば分かっているな?」
ピッドはそう言うとくるりと後ろを振り返り、更にこう付け加える。
「もう1度言うぞ。最後のチャンスだ」
その言葉を残し、ピッドは月影達の部屋を退室していく。
月影達の様子を確認してから、ピッドを追いかけて退出する水色の少女。
彼の後ろから少女はこう言った
「良いのですか、ピッド様?」
「ああ、かまわん。どうせ元から使い捨てにするつもりだった奴らだ。
それにそろそろスピアの方の準備が整うからな、それまでの代用品に過ぎん」
「ですが、被検体NO12を殺すかもしれません」
「問題ない。あの程度の“欠陥品”に殺されるような鍛え方をした覚えはない。
それに、これはとある実験でもある。俺の研究の成果を見る為の…な」
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