「なんで、僕の能力が効かない…。なんで!?」

リズナは、動揺を隠せない日向の横へ回りこんだ。
日向もそれに対応するが、動揺により上手く対応できず、一撃食らってしまう。

「クソッ、負けたくないッ、負けたくないッ、ケイパブルチルドレンなんかにッッ!!」

その様子を後ろでウンディーネの援護をかわしながら見ていた美影。

「ひ、日向…。だ、ダメ…。それ以上はいけない…。ああッ…」

シルフィーの様子もおかしい事に気付いたアスミは、一旦援護攻撃を止め

「なんか様子おかしいよっ!?どうしたのかな?!」

「ひ、日向…。マケタクナイ…マケタクナイ…ッッ」

シャドウとシルフィーがまたもや同調するかのように、動きを併せる。
しかし、その闇雲な攻撃はリズナには、全く効いていなかったが
その様子はまるで壊れた機械のように同じ動きだけを繰り返す。

「負けたくないッ、こんな世界に、僕は負けられないんだああああああッッ!!」

日向が狂ったように叫ぶと、美影もそれと同じ言葉を叫びヴァルキュリアへ攻撃を繰り返す。
リズナも、2機の攻撃をかわしつつ2機の隙を探すがなかなか見つからない。

−闇雲な攻撃だけど…2機の同時攻撃はなかなか隙がないわね…
だけど、この2人一体どうしたって言うの…!?

シルフィーが、竜巻を作り出し、シャドウが闇のフィールドを作り出そうとした瞬間だった。

「月影、その辺にしておきなさい」

「ディバス、また邪魔をする気か!!!?」

「ケケケ、言い付けを守らないからですよ。被検体NO12は殺さない約束です」

「うるさい!!もうお前の指図は受けないッッ!!
僕は、ここで全人類、全世界に復讐するんだッッ!!」

「ケーケケケッ!それは愉快、とても愉快です!
けれど被検体NO12とその魔動機は失いたくないのでその辺にしておいてくれませんかね?」

「そんな事僕の知った事じゃないッッ!」

「やれやれ、警告を受け入れてもらえませんとはねぇ…?
では仕方ありません、トランキライザー注入開始、ケケケ…!」

「!? こ、こんなものが僕のシャドウに…ッ!!?ああ…っ」

トランキライザーをコクピット内で無理矢理投与された日向と美影は、そのまま気を失ってしまう。
勿論、シャドウ、シルフィーも機能を停止するが、
2機に気をとられている間に援軍に来ていたセルシリアの機体が2機を回収しようとする。

「させるかァッ!!」

リズナが回収を阻止しようとした所、回収作業を援護するように射撃された。

「ディバス…。こちらで援護する、回収作業を急げ」

「分かってますよ。サファイア。
全くこれだから言う事の効かないクソガキは嫌いなんですよ、ケケケ」

援護射撃は正確で、ヴァルキュリアは回収を阻止できず、飛び去られてしまう。
サファイアの乗るエーデルシュタインも、回収できた事を確認すると撤退して行き
ヴァルキュリアとウンディーネがその場に残された。


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